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海「泣いてんじゃん、Aちゃん」

「海、くん…」

海「由香ちゃんがAちゃん戻ってこないって言うから心配して」




海くんは私から山崎くんが見えないように、間に立ってくれた。海くんの柔軟剤の匂いに少し安心する。




山「…なんでもねーよ」




足音が遠くなっていく。掴まれた右腕が少し痛んだ。




海「…大丈夫?」

「……大丈夫、ありがとう…」

海「怖かったでしょ?ごめんねすぐ気付けなくて」




海くんは悪くないのに。落ち着いたトーンの声とゆっくり背中を摩る手に徐々に落ち着きを取り戻した。





拓「……A?」





びっくりした顔の拓弥くんが私と海くんを交互に見つめる。三人の間に流れる空気は重かった。ゆっくり拓弥くんが口を開く。





拓「……なんで泣いてんの」

海「色々あったの。じゃあ俺戻るね」

「…海くん」


拓「……A?」

「…ごめんね拓弥くん、なんでもないの」

拓「なんでもない事ないじゃん、泣いてんだろ」





拓弥くんに迷惑はかけたくなかった。本当になんでもないよ、と言って拓弥くんに背を向けたけど、拓弥くんは私の腕を掴んで引き止めた。


けれど、さっきの出来事がフラッシュバックして恐怖心が湧き出てしまった私は、拓弥くんの手を振り払ってしまった。初めて拓弥くんと話した、あの日のように。





「ちが…拓弥くん、ごめ、」

拓「…ごめん」




拓弥くんは小さい声でそれだけ言って背を向けて行ってしまった。違う。拓弥くんが来てくれて、私は嬉しかったのに。拓弥くん、と呼んでも足を止めてはくれなかった。




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設定タグ:超特急 , 草川拓弥 , タクヤ   
作品ジャンル:恋愛
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な な .(プロフ) - まいめろさん» コメントありがとうございます!それぞれのお話後日公開しようと思います! (2017年5月20日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
まいめろ(プロフ) - この話大好きで更新楽しみにしてて、今回終わってしまったけど本当に面白い作品でした!!出来れば稜雅くんと由香ちゃん、海くんと女の子のお話も読んでみたいです!! (2017年5月19日 6時) (レス) id: 5d49ea269e (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - 田中れなさん» 大好きと言っていただけて嬉しいです( ; ; )頑張ります! (2017年5月5日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - エムさん» ありがとうございます( ; ; )暖かいお言葉ありがとうございます!頑張ります^_^ (2017年5月5日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
田中れな - な な .さん» このお話大好きです!更新頑張ってください!応援してます^^ (2017年5月5日 14時) (レス) id: 2b82d704e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:な な . | 作成日時:2017年4月17日 22時

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