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なんとなくモヤモヤした気持ちのまま、ゆっくり廊下を歩く。売店の前を通ると、これからパンを買うのであろう海くんがいた。
「…海くん、」
海「お、Aちゃん。拓弥は?見つかった?」
稜雅が心配してたよ、と海くんが笑う。けれど私の頭の中はさっきの光景と拓弥くんの言葉でいっはいだった。…結局お弁当、渡せてないし。
「……あー…いいの。海くんパン買うの?良かったらこれあげる」
海「え?いいの?」
「うん」
自分の分のお弁当はあるし、持って帰っても捨てることになってしまう。それなら誰かにあげよう。
海「あ、じゃあ待って」
「?」
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海「うま!Aちゃんいい奥さんになるよ」
空き教室でお弁当を頬張る海くん、…と、私。一緒に食べよ、と海くんの提案で、二人で食べる事に。じゃあ由香は稜雅くんと二人で食べてるのかな…拓弥くん戻って来たのかな…
海「これ、拓弥にあげる予定だったんでしょ?」
「うん…」
海「拓弥バカだなーこんな美味しい弁当」
「……」
拓弥くんがこのお弁当を食べたら、なんて言ってくれただろう。美味しいって言ってくれたかな。卵焼き、褒めてくれたかな。
海「…拓弥もきっと褒めてくれるから。また作ってきなよ」
「え?」
海「あ…それか素直じゃないから『普通』とか言いそうだけど」
「…うん」
海くんといるのに拓弥くんの事ばっかり考えてた私に気付いたのだろうか、海くんは突然そんな事を言った。海くんは、やっぱり優しい。ありがとう、と呟くと、海くんは優しく笑った。
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な な .(プロフ) - まいめろさん» コメントありがとうございます!それぞれのお話後日公開しようと思います! (2017年5月20日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
まいめろ(プロフ) - この話大好きで更新楽しみにしてて、今回終わってしまったけど本当に面白い作品でした!!出来れば稜雅くんと由香ちゃん、海くんと女の子のお話も読んでみたいです!! (2017年5月19日 6時) (レス) id: 5d49ea269e (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - 田中れなさん» 大好きと言っていただけて嬉しいです( ; ; )頑張ります! (2017年5月5日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - エムさん» ありがとうございます( ; ; )暖かいお言葉ありがとうございます!頑張ります^_^ (2017年5月5日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
田中れな - な な .さん» このお話大好きです!更新頑張ってください!応援してます^^ (2017年5月5日 14時) (レス) id: 2b82d704e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な な . | 作成日時:2017年4月17日 22時