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別に盗み聞きしてたわけじゃない。
けど聞こえてくる声はどうやったって聞こえるわけで。
そりゃ心配する目は全部潤に向けられる。
そんなのは、分かってはいたけれど。
そんなことを考えているうちに寝てしまったようで。
次に目を開けると船を漕いでる医者がベットの側に座っていた。
「あぁ……おはよう」
ふわぁ、とあくびをしながらそう言う医者。
「随分ぐっすりだったね」
体調はどう？とか色々聞かれているけど聞こえないふり。
そんな俺の態度も長年の付き合いの医者なら全てお見通しなわけだけど。
「しんどくない？どう？」
「……別に」
チラリ、と隣を見るとこちらを見ている雅紀と目が合って。
慌てて逸したけど。
「ねぇ、ほんとに大丈夫？」
「……大丈夫だって」
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作者名：櫻宮 | 作成日時：2018年3月11日 18時
