断頭台で待ち合わせ (ページ50)

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ほつれたリボン　４－⑪ ページ50

どの本もあの駄作と似たようなセンスのない背表紙だ。頂上のものはいくらかましで、モノトーンの四隅に黒い蔓と髑髏が絡み合っており、本能的に感じる力も一番大きい。
　シャルルは懐から杖を出し、きちんと対象に標準を合わせた状態で抑え込むように力を加え、ローブに包んだもう片方の手で重い表紙を捲った。こちらも死にまつわる事柄のようだ。慎重に目を通し、題名の下にある豪奢な印字に息を呑んだ。Ｇ.Ｇ. ──ゲラート・グリンデルバルド。発禁どころの話ではない。
　シャルルは思わず食い入るようにセオドールの目を見つめ、その奥の微細な情動まで逃さないとばかりに魔を込めた声で尋ねる。

「どこでこれを手に入れたんだい」

　「家の納屋だ」セオドールはつまらなそうに答えるが、「所有は？」と追及するシャルルの声は硬い。「……母上のものだろう」とセオドールは嫌気が差したように目を合わせた。真。シャルルは薄ら笑んでソファに座り直して、「これは渡して貰うよ」と杖を仕舞った。
　セオドールはというと「好きにしろ。もとよりそのつもりで持ってきた」と無味乾燥とした反応だった。シャルルは杖を仕舞いながら「形見じゃないのかい」とおどけたが、彼はいつも通りの仏頂面で「相変わらず人の心がないな」と鼻を鳴らすだけだ。それが癪で、邪魔な本をローテーブルに移し、ドラコを相手にしたときのように甘ったるい顔で彼の膝に頭を乗せた。

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どうやら話数の限界のようです。色々考えましたが、続編に移行するには中途半端なので、この辺りで取り敢えず更新は停止することにします。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。何かございましたらご連絡ください。(2023/04/02-砂な)

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