今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:2,417 hit
小｜中｜大
セカンドプロローグ ２−�� ページ16
新入生の列の中、シャルルは足が鉛になったみたいに重く感じた。
広々としたホールを抜けて二重扉を通り、大広間に入る。途端、一気に眩い光が押し寄せた。シャルルは床に落としていた視線を上げ、息を呑む。何千という蝋燭が空中に浮かび、四つの長テーブルを照らしていた。上級生の着席するそこには先程見た夜空を彩る星のように煌めく金色のカトラリーが並んでいる。その向こうの天井を見れば、本物の空同然に仕立てる究められた魔法の美しさに溜息が漏れた。
シャルルはふいに目を伏せた。この場にいたのが前世の己ならキングス・クロス駅からずっとはしゃぎ倒していたに違いないし、今朝までのシャルル・アンリ＝サンソンなら無感動にやり過ごしていただろう。
変な話だが、今の自分がちょうど均整のとれた人格みたいだ。どうしてだろう。最悪、自我が崩壊してもおかしくないのに。
考え事をしていたら足が止まっていた。今度手をひかれたのはシャルルの方だった。
ドラコに連れられて上級生の方に顔を向ける形で一列に並び、マクゴナガル教授の置いた四本足のスツールと三角帽を見つめる。古びた帽子はやがてぴくぴく動き、つばのへりの破れ目がひとりでに歌いだした。
シャルルは歌詞に変化がないか一言一句聞き逃すまいと耳を澄ませていたが、物語と相違なく終わる。安堵を込めて拍手したらドラコから脛を蹴られた。上級生どころか教授達に見られていそうなものだが、これだけ人数がいれば意外に目が行き届かないのかもしれない。
セカンドプロローグ ２−�ア�←セカンドプロローグ ２−��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
