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ほつれたリボン ４−�� ページ48
月が照らす頃、シャルルは柔らかくて頼りないベッドを慎重に下りた。部屋の二人はすやすやと眠っている。
決闘未遂によって警備体制は堅くなり、双子さえも長い夜を睡眠に充て始めたと聞く。そろそろ気が緩む頃合いだろう。
閲覧禁止の書棚で何を読もうか考えながらそーっと談話室に入れば、二人掛けのソファの辺りにぼんやりとした光とちょうど一人分の影があるのが見えた。摺り足で近づく。影は頭だけ傾けてこちらに向ける。
「アンリか？」
「……あぁ、なんだ。セオか。びっくりした」
すっかり安心して、その隣に飛び込むみたいにずしっと腰を下ろすと、セオドール・ノットが迷惑そうに眉を寄せた。ルーモスの灯に舞い上がっている埃がきらきらと光っている。
シャルルはセオドールが入学したきり一度も話しかけてくれなかったことについて全く気にしていなかったし、きっと逆も然りだ。二人は純血魔法族のパーティーで顔を合わせる程度のビジネスライクな仲だった。
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作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
