第一章 その7 ページ12
「…知らないならいい。…ああそうだ、あんたにひとつ忠告しておく。」
「…は、はぁ…」
話グイグイ進めるなぁこの人…
その人は何故か…アヴドゥルさんと話を続けているリサリサ様をちらりと見て、私の方を見てから口を開いた。
「__『赤いマフラーの剣士』と『青い髪の男』には気をつけろ。…さもないと、この国は滅ぶ。」
「…!?」
そう言う男の目は冗談を言っているようには見えなかった…『赤いマフラーの剣士』…リサリサ様のこと…?この人一体…
「承太郎、何をやっている?いくぞ。」
「…ああ。」
…リサリサ様との話を終えたらしいアヴドゥルさんに呼ばれた男…“承太郎”という人は、何事もなかったかのように私から離れてアヴドゥルさんの方へもどっていった。
「勤務中失礼しましたリサリサ殿、それでは我々はこれで…ツェペリさんによろしくとお伝えください。」
「ええ…」
アヴドゥルさんはそう言って頭を下げると、承太郎さんと共にその場を立ち去っていった。
「あの、リサリサ様…今の人は…?」
「ああ…エマは初めてお会いするのでしたね。彼はモハメド・アヴドゥル。魔道士ツェペリの友人で、旅する占い師です。もう1人は空条承太郎と言って、私の妹の息子…つまり、私の甥っ子に当たるのですよ。アヴドゥルと共に旅をしているようです。」
モハメド・アヴドゥル…ツェペリ様の友達だったんだ…それに、リサリサ様の甥っ子、空条承太郎かぁ…
「ところで、先程承太郎と何を話していたのです?」
「あ、えーと…大した話はしていませんよ!」
「…そう。」
リサリサ様は不思議そうな顔をしたけど、それ以上の追求はしなかった。
_『赤いマフラーの剣士』と『青い髪の男』には気をつけろ。…さもないと、この国は滅ぶ。
…あの言葉、どういう意味だったんだろう…
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作者名:あんず | 作成日時:2019年12月8日 21時