ぶりっ子？悪女？……だから？

トップスリー ページ10

副会長は女子であり、身長も低い。眼鏡を着用しており両サイドで三つ編みにした髪を下ろしている、といういかにも真面目そうな格好であるが以外と隠れファンが多い。

その女子は"泉"といった。周囲からは堅苦しいと評されることが多く、人を見定めるような素振りもあるが、涼宮が副会長に選んだのだ、泉のことを良く思っていなかった生徒も認めざるを得ない。
泉も涼宮に負けず劣らず、優秀な生徒であった。
生徒会選挙にも立候補しなかったため、涼宮が生徒会役員に選ばなければその才能は埋もれていたかもしれない。

もう一人の男子生徒は高岸葵。二年Ｂ組の学級委員長を勤めており、ファンクラブまである。まぁ、本人にバレないように活動する、というのがルールであるが。
学級委員ということもあり、元々生徒会役員であった高岸は生徒会選挙に立候補したが僅差で涼宮に負けた。しかし評判は高くなる一方であり、"あの"涼宮によくそこまでやった、と株が高くなっていくのである。それほど涼宮への壁が高いということか。

この三人は生徒会トップスリーと言われるほどのものである。
優秀も優秀であり、中間テスト、期末試験では総合で三位に入るほどの実力を見せている。涼宮は両方とも一位。泉は中間テストでは二位、期末試験では三位。高岸は泉に続き中間テストで三位、期末試験で二位という文句なしの実力だ。

そして、その三人が珍しくも揃っている。それは生徒にとってものすごいことなのであろう。いつの間にかギャラリーが出来るほどだ。
にこやかな笑みを浮かべている涼宮の後ろ、両サイドに無表情の泉と高岸がいるというのは寧ろ恐怖の対象であるが、人集りはそんなこと気にした素振りもない。

挙げ句の果てにはスマートフォンを取り出して写真を撮っているほどだ。この三人が揃うことは"とても珍しい"という事実を証明している。特に泉なんかは授業が終わるとすぐに生徒会室に籠るので違うクラス、違う学年の人達は泉を目に入れることすら久しいのだ。

そして、その三人は集まってきた人達の中を縫うように進み生徒会室にたどり着いた。高岸が扉を開ける。ここから先は生徒会役員以外立ち入り禁止となっており、教師ですらアポイントメントが必要な場所だ。トップスリーを見たいがために集まった集団から落胆のため息が漏れる。

肝に涼宮と高岸は生徒会室に入ってしまっている。残された泉はため息をついている人達を一瞥して、生徒会室に足を踏み入れた。

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