悪い噂 (ページ17)

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『はい、これ。北斗が』

って北斗の作ったおつまみを樹くんたちの元に届けると「ありがとね」って笑う樹くん。

そんな樹くんは女の子の肩を抱きながらビールを持ってて、今更だけどなんでこの人の事好きなんだろ？って思ってしまう。

そのまま北斗の元に戻らずその場にいた森本くんとジェシーくんと話したけど、会話のテンポが合わなくて離脱。

結局はキッチンで1人で飲んでる北斗の所に戻ってしまった。

「あら、なんで戻ってきたの」

『んー、なんか、うん』

「ふは、深刻そうな顔」

『私にはあの陽キャな雰囲気無理だった』

「貴方は俺と同じ匂いするもん」

『やだその言い方。臭そう』

って冗談を言えば「おいこら」って怒られる。

なんで北斗とはこんなに話せるのか本当に教えて欲しい。北斗と樹くん同じグループで仲良しなのに、なんでこんなに違うんだろう。

「貴方って本当に俺のこと舐めてるよね」

そう言って私の頬を摘むから『ひゃめて』って北斗の腕を掴む。

「やらけーな、」

って笑うから、まぁ顔がいいのは認めてる北斗だし少しは胸が高鳴る。

『っもう！』

その手を振りほどこうとすると「北斗、離しなよ」って甘ったる匂いに甘ったるい言葉。

振り向かなくたって樹くんだってことは分かった。

「なんだよ、樹」

「んー？そろそろ北斗からAちゃん奪おうかなって思って来ちゃった」

そう言って私の顔を覗き込むからそりゃドキドキする
樹くんは、人との距離が近すぎるんだ。

「だから、北斗。

Aちゃんちょーだい？」