焦がれた身を堕とす ページ31
Side Yuki
ただ、Aが欲しかった。
いつからかわからないくらい昔から好きだった。
知り合ったときにはもう君は佑亮の幼馴染で。
そして、想い人だった。
手に入れたくても、邪魔する善意で何も言えなかった。
しかも、何も言えないままでいるうちに関係ない男に奪われて。
誰かのものになってしまった君をずっと見てた。
それでもあきらめきれなくてくすぶった炎はいつの間にか歪んで、この状況になって燃え広がって俺ごと焦がしていった。
その炎は制御なんてできなくて、ただAと一緒に帰れるのは俺だけ。
俺だけがAを手に入れれるんだって勘違いして先走ってすべてを犠牲にしてきた。
その結果が、今。
最後の最期。
君の手にかかって終えられるだけ、それだけは俺の救いなのかな。
落ちていく意識はいったいこれからどこに行くんだろう。
もしもあの世が本当にあるのなら、俺が行きつく先はきっと地獄だね。
でもね。A。
きっと人を殺めたAも天国なんかに行けないんだ。
今は少しの間だけ離れるだけ。
きっといつか君がこっちに堕ちてくるまでの間離れるだけ。
諦めきれないこの想いを抱いたまま先に堕ちてるから。
待ってる、A
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Orin(プロフ) - 鎖骨ちゃんさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けてとても嬉しいです。コメント、励みになります。のんびりではありますが更新は続けていきますのでぜひまた読みに来てください (2019年4月11日 2時) (レス) id: c85c65d7e8 (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨ちゃん(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしております!! (2019年3月1日 17時) (レス) id: b22569305a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Orin | 作成日時:2019年2月17日 2時