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ゲームの勝者 ページ29

Side Yuki

【ゲームノ勝者ガ決マリマシタ 大広間ニ集マッテクダサイ】

アナウンスが流れる。

ゲームが、終わったんだ。

これで、俺はAと二人で帰れる。

そう思うと笑いがこみあげてきて。

5「A、行くよ。A!」

佑亮に抱き着いたままのAを引きずるようにして大広間へ行くと、はじめの時みたいに白い壁に映像が映し出された。

【勝者 恋人】

5「え」

どういう、こと?

恋人?

…そういえば、恋人のように道連れになって死んだ人はいなかった。

でも、それはキューピッドだけが死んで、恋人の拓弥と晃一が残ってるからで…

5「は…嘘だろ。最悪」

そうだ、先に殺さなきゃいけなかった。

考えてなかった。




でも、いい。

他のやつにはない、最期だ。

俺は、Aと運命共同体。

俺だけは、Aと一緒に死ねる。

すぐに思い直してAをみる。

でも、俺を見上げる目は、恐怖ではなく、無だった。

5「A」

「…ごめんね、祐基くん」

かしゃん、と落ちたスマートホン。

その画面には勝者の文字が表示されていて。

5「嘘だ」

「私は、たくちゃんと、こーちゃんと帰る」

5「嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!Aは俺と一緒にっ」

4「祐基…っ」

1「A」

「…祐基くんとは帰らない!!!!!!!」

大声で叫ぶA

5「A…ねぇ!Aっ…」

「私は恋人。人狼のあなたとは一緒に帰れない!」

5「嫌だ。じゃぁ、俺がしてきたのはなんだったの?俺は…ただ、Aのために」

「…祐基くんのしてきたことはっ…私のためなんかじゃない!」

5「ちがう…俺はAと一緒に帰るためだけに…ここまで…」

そこで、映し出される言葉が変わる。

【敗者ニハ、死ヲ 最後ノ処刑ヲ始メテクダサイ】

5「い、やだ。一人じゃ嫌だ!!!Aっねぇ」

「…ごめんね、祐基くん」

5「嫌だ!!!!」

俺は、隠し持ってたナイフを出してAに向ける。

Aも、その手に持ってた血濡れのナイフを俺に向けた。

5「A、どうして?」

ただ、俺はAのことが好きなだけなのに。

「…どうしても、何もないでしょ…」

感情の読み取れないような瞳で、俺を見るA。

「ゲームを、終わらせるだけ」

5「やめて…?やめてよ、A。俺と帰ろう?」

「帰る道はないの。今までのゲームを見てきたでしょ?」

5「じゃぁ、一緒に死んでよ」

4「祐基!!!」

1「やめろ!」

悪役の最期→←さよなら



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Orin(プロフ) - 鎖骨ちゃんさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けてとても嬉しいです。コメント、励みになります。のんびりではありますが更新は続けていきますのでぜひまた読みに来てください (2019年4月11日 2時) (レス) id: c85c65d7e8 (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨ちゃん(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしております!! (2019年3月1日 17時) (レス) id: b22569305a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Orin | 作成日時:2019年2月17日 2時

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