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終わらせよう。 ページ21

好きだったんだよね。

なんて言って佑亮はほのかに笑った。

8「ゆ」

6「一緒に帰ることはきっと、許されない。だから…ねぇ、A。生きて。」

8「なんでみんなそうやっていうのぉ…」

押さえていた感情が全部あふれるように涙がぽろぽろ流れていく。

6「ずるいよね、こんな時に。でも、みんなただAのことが大好きなんだよ。」

私の頬をその両手で覆って、佑亮が涙をぬぐっていく。

8「みんな、ずるいっ…そうやって私を残していく。私はみんなと一緒に死んじゃいたいよ…」

6「Aが生きていくことだけが、みんなの望みで、希望なんだよ…」

8「佑亮ぇ」

6「ねぇ、A。終わらせよう?」

8「どういう、こと?」

6「このゲームが終わる条件は、人狼が村人と同数になることで人狼陣営が勝つこと。もしくは人狼が全員死ぬこと。だよね?」

8「…うん」

6「人狼はあと何人いるの?」

8「え…」

6「A。僕を信じて。大丈夫。だましたいわけじゃないから」

8「…私と、もう一人」

6「じゃぁ、村人が2人になれば勝敗が決まって終わるわけだね。」

8「え。待って佑亮!」

6「今日の投票で村人を処刑、それから襲撃で1人で…村人陣営と人狼陣営が同数になるってことだよね」

8「何、言ってるの」

6「今の状況で2票が固まればほぼ確定だから…」

8「ねぇ、佑亮!」

6「Aを生かすためにはこれしかないでしょ。だから、今日の襲撃は僕を選んで。それで、終わらせよう。投票は…誰でもいいね。人狼以外なら。」

着々と話を進めていく佑亮。

8「いや…佑亮っ」

6「聞いて。A。今のこの提案が、最短でこのゲームから抜け出す方法なんだよ。だから」

ぎゅっと優しく私を抱きしめる佑亮。

その声が耳元でやさしく、やさしく響く。

ねぇ、佑亮。

どこで私たちは間違ったんだろう。

私の初恋は確かにあなただったはずなのに。

どうして?

こうしてすぐ触れられる温かさを手放す話をしているのだろう?

こんなに…こんなにも大好きなのに。

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Orin(プロフ) - 鎖骨ちゃんさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けてとても嬉しいです。コメント、励みになります。のんびりではありますが更新は続けていきますのでぜひまた読みに来てください (2019年4月11日 2時) (レス) id: c85c65d7e8 (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨ちゃん(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしております!! (2019年3月1日 17時) (レス) id: b22569305a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Orin | 作成日時:2019年2月17日 2時

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