Snow Dream 5th (ページ32)

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ほんとの意味ページ32

あれから、数日。

私は映画とドラマの撮影に追われていた。

合間を縫って通院をして、昨日から眠剤のお試し投与が開始した。

しかし、眠剤を使ったからってすぐに状況が改善することもなく、本日も２時間睡眠で現場へ来ていた。

軽い薬だからなのか、朝まで効果が残ることもなくいつもの調子で撮影に参加してる。

あれから、私はメンバーの誰とも会えていなくて。

毎日のように動いていたグループラインの更新も今は途絶えている。

やらかした。

ほんとなにやってんだろ、私。

そう思いながらもやもやとしつつ仕事をこなす日々。

ってか、一緒になる仕事がないことが問題なんだよな…

休憩中、私はスポーツドリンクを片手にため息を吐いた。

桐「どうしたん？」

ため息をついている私に、隣にいた照史くんが声をかけてくれる。

「ん…？にゃ、なんでもないですよ」

さすがに言えなくてそう伝えると、照史くんが困ったように眉尻をさげた。

桐「話せへんことなん？」

「いや、そういうんじゃなくて…」

桐「ほんなら話してみぃひん？聞くことしかできへんけどさー。」

「うん」

桐「東と西やけど、ほぼ同期やん俺ら。俺のが年上やけど、気安く話せへん？」

「照史くん、ありがとね」

お礼だけを伝えると、また彼は困ったような顔をした。

「…私ね、最近メンバーに対して内緒にしてたことがバレちゃって、少し気まずいんだよね」

当たり障りのないように少しだけ話してみることにした。

桐「バレたからって気まずいん？」

「うーん…バレたからっていうか、ひーくんを怒らせちゃって。」

桐「なんで怒らせたんかは自分でわかってるん？」

「わかってるよ。無理してて迷惑かけちゃったから…」

桐「その無理して迷惑かけたってなんなん？迷惑かけられたくらいじゃ誰も怒れへんやろ」

「そうなんだけど…」

桐「まーた倒れるまで頑張りすぎたとかなんちゃう？」

「…え」

桐「図星なんかい」

「…うん」

桐「もしかしてやけど生配信のときちゃう？」

「…エスパーなの？」

桐「いやあの日の撮影も調子あんまよさそうちゃうかったし、配信中なんかぐらぐらしてるなって感じててん」

「よく見てるね」

桐「まぁな。ほんで倒れて怒られたからってきまずいん？」

「…うん」

桐「なんでそう感じるんよ。仲間やし迷惑かけることもあるやろ。」

「そうなんだけど…でも私ばっかりみんなに迷惑かけてる…」

そういうと、照史くんは私の頬をその両手で包んだ。