Snow Dream 5th (ページ17)

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⑤ ページ17

Side Ryota.M

そんな会話をしていると。

ピンポン

チャイムが鳴る。

宮「こんな時間に誰だ？」

「彼女？」

Aが心配そうな面持ちでそういった後、隠れる場所を探し出す。

宮「彼女なんていないよ」

苦笑してその光景をみつつ、俺はモニター付きのインターフォンをのぞく。

宮「うわ」

そのモニターに映っていたのは、翔太だった。

ほんとに来たんだ。

そう思いながらモニターを消す。

ここは無視が上策だと思った。

すると、

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

永遠と鳴らされるチャイムに加え、モニターから響く翔太の叫び。

渡「おい！聞こえてんだろ！開けろ！涼太！！！涼太―！！！A無事？！無事なんだよな？！なぁ！おい！」

近所迷惑を考えてくれないのか。

なんて思いながら頭を抱えていると、Aが隣へ来てモニターを覗き込んだ。

「しょっぴー？」

きょとんとするA。

「開けないの？約束してたの？私帰ろうか？」

宮「約束もなんもしてないから。気にしなくていいよ。」

「え、でも」

渡「マジで開けろって！おい！涼太！」

ピッ

通話ボタンを押す。

宮「帰って」

そして再び俺はモニターの電源を落とした。

「え、大丈夫？」

宮「翔太なら平気」

「どんな自信？」

宮「だって、入ってきても寝るとこないし。」

「私が帰るよ？」

宮「そしたらたぶん翔太も帰るね」

「どうして？」

宮「翔太の目当てがAだから。」

「？？？」

宮「とりあえずたぶんこれで帰るでしょ。」

確かに鳴りやんだインターフォン。

宮「A、俺のベッド使いな。俺はリビングのソファーで寝るから。」

「え、それは忍びない。涼しいだけでも恩しか感じないのにベッド奪うとか…私がソファーで寝る」

宮「却下。」

「今日私の発言却下しすぎじゃない？」

宮「レディをソファーで寝かせる紳士なんていないでしょ。Aは俺を何だと思ってるの？」

「素敵ロイヤルな宮舘王国の国王。」

宮「国王って紳士なイメージない？」

「いや、独裁者な可能性も」

宮「…とにかくAはベッド。これは決定事項。」

「でも…」

宮「そんなに言うなら一緒に寝る？」

「えっ」

宮「嫌でしょ？」

正直、Aが恥ずかしがって却下されると思ってた。

…どうやら俺は彼女を侮っていたらしい。

「あり。」