世界にたった一つの愛のうたを ページ35
本日、私白野 Aは少クラでソロステージを任されました。
今日歌う歌はまだどこにも出ていない新曲。
世界にたった一曲の、私のためだけに作られた曲。
葬儀やお別れ会が終わった数日後、タッキーに呼び出されて渡された曲。
ジャニーさんがいつか、私に歌わせたいと温めていた曲を託されたと言っていた曲。
「じいじ…」
何度も書き直された痕跡のあるその紙は、だいぶ古かった。
思えば、私が一度だけジャニーズをやめたいと弱音を吐いてしまったとき、いつか君に歌わせたい曲があるからと引き留められた。
じいじに直接歌って聞かせることのできなかった曲だけど。
それでも日の目を見させてあげたいからと大急ぎで仕上げられた曲だ。
「ちゃんと聞いていてね」
舞台袖に出て、そっと上を見上げてつぶやく。
どこかできっと彼が見ていてくれるはずだから。
”君の声を引き立てるのはやっぱりバラードだね”
と笑った彼が用意した曲。
予想した通りのバラード。
中央の扉が開き、ゆっくりと中央のスタンドマイクを目指す。
まだ聞いたことのない曲調に、客席が驚いたような様子を見せる。
「親愛なるジャニーさんへ捧げます。 ”Shinging my diva”」
歌ってよ、my diva。
よくそういって私に笑いかけてくれたジャニーさん。
そのまんまタイトルにするなんて思ってもみなかったけど。
歌詞の内容さえじいじとの思い出にあふれてて。
それでもその歌詞のなかで彼は私を送り出す。
”君は今日 たくさんの愛をその手に 巣立っていく
涙も 笑顔も すべてが君の魅力 さぁ 歌って その素晴らしい声で魅了しよう
世界のすべて きっともう君のもの
君の思うまま 世界は広がり続ける さぁ 門出だ 君へ花束を渡そう
この手は君の背を 押す追い風だ
その背を見つめながら 僕はつぶやく 僕はいつまでも 君の味方だ
誰よりも 愛しているよ 何があっても 歌え それは君を僕をつなぐ
愛のStory”
ねぇ、じいじ？
歌ってね、手紙じゃないんだよなんて。
そう思ってしまうほど愛の詰まった曲。
父親の目線で進むこの歌詞はきっと彼の目線からみた私。
生まれたその時に父を失った私にとって、ジャニーさんはじいじであり、父のような存在だった。
彼がどんな立ち位置から私を見ていたかはもうわからない。
でも、この歌がつたえてくれている気がした。
ステージの上で歌っているのに、抑えきれないほどの涙が溢れていった。
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美紀 - 移行おめでとです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してますコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月2日 11時) (
レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Orin | 作成日時：2020年3月26日 10時
