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渡「誰に？」
「っ…いえ、ない…」
渡「なんで！そんなやつ殴ってやる」
「いいっ…やめて…」
そんなことしたらすべてがバレてしまう。
バレてしまったらきっと、みんな離れていってしまう。
そんなの嫌だ。
渡「なんでっ」
「いいの…いい、から…」
渡「そんな顔してんのにいいわけないじゃん」
「ほんとに、いいから…」
私よりも怒ってくれてる。
それだけでいい。
「ごめん、ね」
渡「なんでお前が謝んの…」
「ごめん」
渡「なぁ、その…キスで泣いてんのは無理やりだったからだけ？」
「…ううん」
悲しいのは、それが私のファーストキスだったから。
辛いのは、人生で１度しかない初めてのそれだったから。
それが、好きでも何でもない人だったから…ううん、人生の中でたった一人、嫌いだと感じた人だったから。
渡「もしかして、ファーストキス？」
私はゆっくりとうなずいた。
渡「うわ…まじで俺そいつのこと許せねぇんだけど。」
「私も多分、一生許せないし忘れられないと思う」
口元だけ、笑って見せる。
すると、再びぎゅっと抱きしめられる。
渡「無理して笑わなくていいから。」
「…ありがと」
渡「俺、今日来てよかったわ。無理やりでも帰らなくてよかった。」
「なんで？」
渡「お前が傷ついてんのに知らずに過ごしてたかもしんねぇって思ったらいやだわ。こうしてそばにいれてよかった。」
そういいながら私の頭をなでる翔太。
「マセガキ。」
茶化すようにそういうけど、また涙が出る。
渡「同い年だろうが。」
優しく、頭をたたかれるけど、いやな気にはならない。
渡「…なぁ。」
「ん？」
渡「嫌だったらいいんだけど…」
「何？」
そっと、身体が離れ、翔太が私をまっすぐ見る。
渡「塗り替えねぇ？」
「え？」
渡「その…ファースト、キス。」
「どういうこと？」
渡「その…なんていうか…うまく言えねぇけど！いやだったファーストキスを、今俺とキスして塗り替えて、俺とのキスがファーストキスってことにしたらいいんじゃねぇのって…思って…」
「それ、塗り替えれること？」
渡「そりゃ…お前次第だろ！」
そういいながらいきなり私の唇を翔太の服の袖でごしごしぬぐう。
渡「それかこうやって拭いとけ！」
翔太は恥ずかしくなったようで、顔が耳まで真っ赤に染まった。
「…いやじゃ、ないって言ったら？」
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美紀 - 移行おめでとです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してますコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月2日 11時) (
レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Orin | 作成日時：2020年3月26日 10時
