じいじ ページ4
6/18。
その日は個人仕事でバタバタしていた。
タッキーからの2通のLINEに気づいたのは仕事を終えた夕方過ぎだった。
滝沢秀明ジャニーさんが救急搬送された。Aを呼んでる。すぐに来て。位置情報を送る。
確認した手が震えだし、その手からスマホが滑り落ちる。
「…じ、い、じ」
絞り出される声はか細く、震える。
あぁ、どうしよう。
すぐにいかないと。
そう思うのに足はその場に張り付いたかのように重く、動いてくれない。
段々と浅くなっていく呼吸。
合わせるように鼓動もどくどくと早まっていく。
Lock on!の一件から何となく会いづらくて顔を見に行けなかった。
なのに…
こんなにもいきなり、会えなくなる日を意識しなくてはいけないだなんて。
震える手を片手でおさえながらスマホを拾い、ポケットへと押し込む。
荷物をまとめ、重たい足を引きづるようにして楽屋を出る。
目の前が暗い。
怖い。
どうか。どうか無事でいて。
そう願いながら病院へと向かった。
病院へついてすぐにタッキーへと連絡を入れ、病室へ。
そこには、私の記憶の中のジャニーさんよりも、幾分か小さく痩せたジャニーさんベッドに横になって目をつむっていた。
滝「そばに。」
入り口で立ち止まっていた私をタッキーが促す。
他にも社長や先輩方もいる中で私に道を開けてくれる。
「じいじ…？」
小さな小さな声。
それが私の今の精一杯だった。
それでも、ジャニーさんは気づいてくれて、そっと目が開く。
ジャ「来たね」
ほほ笑む彼は、記憶のままで。
それでも、起き上がる元気のない彼に、私の涙腺が緩む。
「じいじ…じいじ…」
ジャ「久しぶりだね」
「ごめんなさい、ずっと会いに来られなくて」
ジャ「YOUの気持ちはわかってるよ、大丈夫。」
穏やかな声。
伸ばされる手を、私は壊れ物を扱うようにして握る。
ジャ「悪かったね。」
それが、何に対する謝罪なのかは私にもよくわかっていた。
私は思い切り首を横に振る。
「ごめんなさい、私が悪いの。じいじの期待に応えられなかったから」
ジャ「それは違う。YOUは期待以上のことをいつもやっているよ」
「違う…私何も…」
ジャ「バカな子だ。僕はずっとYOUが僕の期待以上にやってくれて、ほめてもほめたりないよ。僕の声に応えてくれて…ここまで立派にやってきてくれたね。女であるYOUにはきっと厳しい環境だったろうに…それでも努力を続けてくれた。ありがとう」
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Orin(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！書く活力になるのでもっと頑張りますね！！ (2020年3月17日 11時) (
レス) id: 02ec94d645 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最近コロナウイルス流行ってるみたいなので気を付けて更新大変だと思いますが更新頑張ってくださいね (2020年3月16日 8時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Orin | 作成日時：2020年3月15日 19時
