桐山家 (ページ27)

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淳太side

俺の運転で病院近くをドライブする。

助手席に座る照史は浮かない顔

後ろに乗るメンバーと天寧ちゃんはキャッキャはしゃいどる。

「照史？どうした？何が不安なん？」

照「いやー。俺まで病気やったらさ天寧の事見て行けるんかな思ってさ。」

「7人も居ればなんとかなるって。そんなに今から悩まんでもいいって。それより急に病院行って天寧ちゃんビックリせえへん？」

照「ほんまやなぁ。でも俺前のってしもたから説明できひんなぁ。」

「神ちゃん。天寧ちゃんにこの後どこ行くかちゃんと説明してあげてー」

俺は神ちゃんに託した(笑)

神「天寧ちゃん。これからなぁお兄ちゃん達と一緒に病院行って欲しいんやけどええ？」

天「いやー。かえうー。」

神「嫌やなぁ。でもなぁ天寧ちゃんが元気かなぁって先生心配してたんよ。お話だけ聞きたいなぁやって。ダメ？」

天「ワンワンがー」

神「天寧ちゃん。お話聞いてくれとる？」

天「ワンワン見るー」

あかん。

会話が成立してへん。

嫌なんやろな。

「神ちゃん。多分無理やな。そのまま行こか。」

照「天寧？人のお話は最後まで聞くって教えてもらわへんかった？智くんまだお話してるやろ？ちゃんと聞いてお返事して。分かった？分かったらお返事して。」

天「パパー。」

照「天寧？パパのお話聞いてた？今は智くんがお話してたやろ？ちゃんと最後まで聞いて。それからパパとお話しよ。」

俺が思ってた通り照史はしっかりパパしてる。

障害があるかもしれへんって分かって今から病院行くところやけど、ちゃんと叱ること出来とる。

照史なら大丈夫。

俺らなら大丈夫ってこの時は心から思えた。

まさかこの後俺が予想してたよりはるかにしんどい現実が待ってるなんて思わんかったけど。

それから天寧ちゃんは一生懸命神ちゃんの話を聞いて行くって返事してくれた。

一方通行になることもたまにあるけど、天寧ちゃんのことも今日でちゃんとわかるわけやしみんなで協力して頑張ろうって心に誓ってハンドルを握りしめた。