父子家庭になるまで ページ2
照史side
俺はほんまの幸せもんやと思う。
ジャニーズWESTととしてデビューできて、お嫁さんももろて、可愛い娘もできて。
でも、俺はアホやから気が付かへんかった。
Aが1人で色んなもん抱えて苦しんでるんを。
もうすぐ桐山家が崩壊するのも気がついてやれへんかった。
その時は突然やってきた。
7人全員での撮影を控えた楽屋。
俺はライブに向けてパソコンでダンスの振りを確認してた。
淳「照史ー。さっきからずっと携帯鳴っとるで。」
「え?ほんま?気が付かんかったわ。誰やろ。」
俺が携帯を手に取るとそこにはオカンからの着信を告げる画面が。
「オカンからやわ。ちょっと電話してくるー」
俺は淳太くんにそう告げて楽屋を後にした。
「もしもし?なに?」
「仕事中やった?ごめんな。あのさ天寧ちゃんの事Aちゃんから聞いた?」
「天寧がどうかしたん?今日の朝も元気そうやったけど?」
「はぁ。あんなあ、天寧ちゃん今日3歳児検診やったんよ。そこで異常が見つかったんやて。Aちゃんがさっき泣きながら謝りの電話かけてきたんや。なんか心配でな。あの子1人で直ぐに抱え込むからちゃんと聞いてあげてや。」
「そうか。確かに3歳になるのにあんまり喋らへんもんな。帰ったらゆっくり話聞くわ。」
その時はたいしたことないって勝手に思い込んでた。
俺はまた楽屋に移動していつも通りに仕事してたんや。
撮影が終わって、ライブに向けてのダンスリハの時に悲劇が幕を開けるとは知らずに。
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作者名:ks2m | 作成日時:2020年10月13日 13時