【tkrv夢】命をほどく、日々を縫う (ページ6)

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たとえば星が瞳に落ちてきて（４）ページ6

ところで、機械音痴さながらの状態でどうにかバイブ音の主を突き止めたその後何をしていたかというと──人間を足蹴にしていた。
蹴っ飛ばしたらまるでボールのように浮くからちょっと面白い。リーゼントの男たちの山ができているのと返り血とで景色が汚い。
これを全部自分がやったのだから、実は生まれ変わって頭のネジや倫理観というものが少しばかりぶっ飛んでいたらしい。暴力に快感を覚えたら終わりな気がする。つまりわたしは終わっているのだろう。最悪だ。
……それはそうとしてやっぱりリーゼントもボンタンも結構ダサくないだろうか。この時代のセンスはよくわからない。

「……ゥ、グハッ！」
「ハイ、わたしの勝ち」

なんでもわたしのメアドが流出していたらしく、件の通知は今ボコボコにされているコイツらによって送られてきた呼び出しだった。なんでもう流出してんだよ。たぶんこのガラケーってホントに買ったばっかなはずだろ。

2004年現在のかがりの簡易プロフィールとして『学校内の不良との関わりは特に無い』とあったが、実際のところ『学校内は(・)』ということであったらしい。
推しに悪い意味で目を付けられたいわけじゃないから結果オーライではあるけど、逆になんでそこだけ聖域？
か弱い女なので基本的に足技だがそれなりに強いらしく、気まぐれでこそあるが外では売られた喧嘩を不良と同程度には買っている。
おかげで呼び出された側にしてみればいい迷惑だ。迷惑かけたのもかけられたのもぜんぶ自分だけど。
わりと喧嘩三昧だった事実を踏まえて慎重に記憶を探れば、最悪なことに女に絡むクズとはいえ東卍の特攻服(トップク)を着た連中をのした覚えがあった。
ウワー最悪。報復されたらどうしよう。というか今っていつだ？

「えーっと、2004年6月19日……って、誕生日じゃん」

二重の意味で。
というか今がいつかわかっても、原作未読勢で詳しい時系列を知らないのだ。
2005年の7月頭にタイムリープが始まることしか覚えていない。あとは8.3抗争と《血のハロウィン》の字面からハロウィンにあるくらいのふんわり具合。
とりあえず前世を思い出すきっかけになったくらいだから、場地と千冬が既に出会っていることはわかる。
目キラッキラの推し、かわいかったな……じゃなくて、記憶が正しければたしか原作で千冬との出会いで場地さんは手紙を書いていたらしいから、既にあの事件は起きているのだろう。
……となると来年までできるのは鍛えるくらいか。