それいけ！KP高サッカー部

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「はぁ〜めっちゃ楽しかったっすね！」
「楽しかったな！」
「岸先輩はどの魚がお気に入りなんすか？」
「え？」


正直、魚なんてぜっんぜん覚えてない。
見てたのは廉ちゃんのえっちな鎖骨と可愛い顔だから！


「え？まさかちゃんと見てなかったんすか？」
「ちゃんと見れたよ〜うん、見てた見てた〜。そうだな、あの青い魚がよかった」
「青ってどれっすか？」
「青いやつ、ほらあのうまそうなやつ」
「うまそうって(笑)やっぱ、岸先輩面白いっす」


またやっちまった。
面白いじゃなくて、「岸先輩かっこいいっす！」を引き出すことが目標だったのに今日は舞い上がりすぎてダメだ。
てか、学校で見る廉ちゃんも可愛いけど今日の廉ちゃん色っぽすぎて色々無理…
ん？待てよ…
こんな可愛い廉ちゃんを誰もほっとかないよな？
廉ちゃん、俺以外にも言い寄られてるって可能性あるよな？


「廉ちゃんってさ、その俺以外にもさ…」
「はい？」
「その…なんだ…告白？とかそういうのされてたりする？いや、廉ちゃんめっちゃ可愛いからさ」
「ないっすないっす！」
「マジで！」


うちの高校ヘタレばっかじゃねぇか。
お陰で助かったわ。


「じゃあ、特定の子と仲良くとかはないんだ」
「大吾、あ、中学一緒やった西畑大吾は幼馴馴染みで仲いいっすけど」
「他は？特にいない？」
「あ、仲いいっていうか…紫耀先輩の家には行かせてもらったことあります」
「え？」


紫耀が？あの紫耀が？
一匹狼で俺意外とつるんだことない紫耀が…


「どうしたんすか？なんか変なこと言いました？」
「い、いや別に、紫耀ってのが意外だなって思っただけ」
「意外なんすか。紫耀先輩、後輩の子らよく呼んでる言うてましたし、そのうちの一人っすけどね。俺が一方的に憧れてるだけっす」


後輩を呼んでるなんて嘘だろ…
そんな話聞いたことない。
紫耀のやつ、どういう風の吹き回しで廉ちゃんを…

紫耀が…

紫耀…


「岸先輩！？」


その名前に言いようのない焦りを感じて、俺は、気が付いたら廉ちゃんを抱きしめてた。


「廉ちゃん…」
「は、はい///」
「俺、本気だから、廉ちゃんのこと」
「…ッ」
「だから、ちゃんと答え欲しい。いつまでも待ってるから」


俺は、廉ちゃんの背中に回した手に力を込めた。

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