諦めかけていた夢 (ページ2)

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HIROside ページ2

いつも、俺はだいたい早く出社している。

だが、1人だけ、俺よりも早く出社する子がいた。

いつものように、コーヒーを買って、練習場を覗く。
すると、音楽が流れながらも早朝から、練習をしていた。

俺は、こっそり、部屋の中に入っていった。

一通り、練習を終えると、いつものように、驚いた顔で、近づいてきた。

『おはようございます。声かけてくださいよ～。驚いたじゃないですか』

いつもの笑顔で俺に挨拶をする。

H「おはよう。今日も早朝から練習か？何時に入った？」

『今日は、５時入りですかねぇ。最近は、冬だから、日の出が遅いんで、ありがたいですよ』

俺が、華淑のダンスを見た時、次のグループには彼女が欠かせないと思い、スカウトした。

だが、彼女はずっと嫌だの一点張りだった。
俺は、彼女の事は諦めることが出来ずしつこく頼み続けていた。

しびれを切らした華淑は、なぜ断っていたかの理由を話してくれた。
病気の事、迷惑をかけてしまうこと、岩ちゃんにはばれたくないこと、全てを話してくれた日、華淑の病気を調べた。
病気の対処も話し合って、華淑を説得して今にいたる。

華淑は、夕方の仕事だけであっても、日の出前までには、事務所にいるようにしている。
そのため、華淑はどんなに遅く仕事が終わっても早くに出社する。

メンバーには、気づかれないように、一通りの練習が終われば、部屋の机でいつも寝ている。

三代目もありがたいことに人気で、華淑に仕事の無い日はなく、いつか、休みを作ってあげなきゃ倒れそうなくらい大変である。

H「体調は、大丈夫か？」

『まぁ、ぼちぼちですかね。これから、色々と撮影もあるから、ロケの時は、心配ですけど..笑』

そう笑いながら、何もないように接している華淑は強いといつも思っている。

H「早く、練習すまして、今日ぐらいは寝たらどうだ？」

不意にあくびをしている華淑を見ていると、いつか倒れそうで心配になる。

『これが、終わったらそうしますね』

そう言って、また練習を始める
練習が終われば、シャワーを浴びて、部屋へと戻っていった。

そうすると、いつものようにNAOTOが出社してくる。

N「おはようございます」

H「おはよう、いつも、早いね～」

N「華淑には負けますよ。今日も華淑はいます？」

H「今日も、もう来てるよ、多分、寝てるんじゃないかな」

そう言うと、NAOTOは悔しがっている。
それが、華淑と俺との日課となっている。