三十二話 つまみ食い ページ33
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『何してるの?』
褐色の液体はまだ残っている。材料はとても高級品だし、栄養価もとても高い。
気分を高揚させる薬といっても、酒や刺激物になれな猫小姐には、それほど効くものではない。
「夜食」
猫小姐は
『(確かに、これだと冷やす必要もないが...)』
後であの宦官に何を言われるのだろうか。玉葉妃や特に紅娘に引かれないか心配だ。
猫小姐は蓋をしてそれを棚に置く。
「洗い物してくる」
『あ、うん。わかった』
残った材料は猫小姐が自力で自室に置き、洗い物をするために外の水場に向かう。
切り分けた麵麭も自室に運び込むべきだと思ったが、忘れているようなので別に良いだろう。
『(もしかしたら、味見で高揚してたのかな?)』
ちなみに私は、調理室でお留守番である。
皿洗いはしようと思えば出来るが、前に緑青館で大量に皿を割ってからは、手伝わせてもらえない。
『(別にもう割らないのに)』
「A」
当然声をかけられたと思えば、調理室の入り口で玉葉妃の侍女三人娘が手を振っている。
右から、桜花、愛藍、貴園である。
「それ何!?作ったの!?」
『ええ。壬氏さまに頼まれまして...』
「それ食べて良い!?」
桜花が、褐色の液体を浸した麵麭を興奮したように指差す。まあ、そう言われると思っていました。
愛藍と貴園は、桜花の後ろで申し訳なさそうにしている。断りきれなかったのだろう。
『....ええ。1つずつですよ』
「やった!!」
「「ごめんね...A」」
この時の私も猫小姐と同じように、味見で気分が高揚していたのかもしれない。
急激な眠気に襲われ、私はそのまま目を閉じた。
まあ、後の祭りである。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (12月14日 1時) (レス) @page34 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - オチは出来たら愛されエンドか全員のオチが見たいです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (10月24日 17時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - 続き待ってます!更新頑張ってください! (2022年7月3日 18時) (レス) @page34 id: 661d0ebc5d (このIDを非表示/違反報告)
akane0731akane(プロフ) - 面白です!更新待ってます! (2020年4月14日 22時) (レス) id: 4d9b400674 (このIDを非表示/違反報告)
水無月胡桃(プロフ) - 黒胡椒さん» ありがとうございます!!励みになります! (2020年1月30日 16時) (レス) id: 1710749122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水霧 | 作成日時:2019年11月30日 17時