薬屋と妓楼の少女

二十二話 興味津々 ページ23

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「いつもより遅い時間ね」


玉葉妃が、訪問者に言った。


天女を思わせる宦官は、お付きの宦官を1人連れて翡翠宮へとやって来ていた。


どうやら、この麗しき青年は定期的に、上級妃のもとを回っているようである。


「Aと猫猫は玉葉のお側にいて」


猫小姐はお付きからもらったお茶菓子を毒見する。


紅娘が公主のおしめを取り換えに言ったので、長椅子に座る玉葉妃の後ろに控える。


私も同じように玉葉妃の後ろに控えた。


たとえ宦官だろうと、侍女の立会いがなければ上級妃と面会は出来ないのだ。


「ええ、異族民討伐を終えたとの報せがあり」


「あら？それで、なにかしら？」


玉葉妃が好奇心を見せる。


後宮という籠の鳥には、十分刺激的な話題である。


玉葉妃は、帝の寵妃といえどまだ若く、年齢は確か私と二つ三つも変わらないはずだ。


「少々、妃の前ではふさわしくない話かと」


「あら、清濁併飲まなければ、ここにはねえ」


肝の太い言葉を玉葉妃は言う。


壬氏はちらりとこちらを見る。だが、値踏みするような目はすぐ戻された。


「面白いことでもないですよ」


と壬氏は鳥籠の外の話をした。



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