18 ページ18
your side
風磨「俺は、お前が好きだから。」
その瞬間時間が止まった気がした。
A「…え？」
私はやっとのことで声をふり絞ったけど、
出てきた言葉は『え？』の一文字だった。
風磨「まず、大前提として、
俺はあの子のことをなんとも思ってない。」
あの子…それは紛れもなく美優のことだろう。
A「いやでも…」
風磨は美優に優しくしてたし、
私よりも丁寧に接していたと思う。
風磨「俺があの子に好意を持っているように見えたんなら
それは単なるお前の思い過ごし。
仲良くもない子を雑に扱うほど、
俺は無神経じゃないから。
あの子に優しくしてたのはそれだけの理由。
それ以上でもそれ以下でもない。」
言い回しは冷たい感じもするけれど、
それも風磨なりの気遣いなんだろう。
風磨は私が思っていた以上に、
色んな人に気を遣っているのかもしれない。
風磨「あの子だからってわけじゃないけど、
気を遣わなきゃいけない相手と一緒にいると疲れる。
俺はお前といるほうが楽だ。」
A「でも…
一緒にいて楽なのと、好きなのとは違うじゃん…」
風磨「俺もそう思ってた。あの日までは。」
A「あの日…」
風磨「なんで俺はあんなことでキレたのか。
何度も何度も考え直してみたけど
こたえは一つしか見つからなかった。
…お前が好きだからだよ。
好きだから、
そんなお前からずっとあの子の話されて、
あの子のこと好きなんだろとか言われて、
思わずムキになった。」
A「…」
なんて言えばいいかわからない。
言葉が出てきてくれない。
風磨「とりあえず、こないだは…ごめん。
直接ちゃんと謝りたかったし、
やっと気づけた俺の気持ち、伝えたかっただけだから。」
そう言うと風磨は振り向き、
また改札口へ向かおうとした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 524人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫のユニコーン(プロフ) - もんさん» コメントありがとうございます(感涙)頑張ります！！！ (2017年8月6日 0時) (
レス) id: a0d445945d (このIDを非表示/違反報告)
もん(プロフ) - 新作楽しみにしています。頑張ってください！！ (2017年8月4日 21時) (レス) id: 744060da5f (このIDを非表示/違反報告)
紫のユニコーン(プロフ) - 夏さん» ご指摘ありがとうございます！今回は一応『調子を合わせる』という意味で『同調』という言葉を使わせていただきました。でもわかりにくい言い回しだったかもしれないですね…すみません…以後気をつけますね。ご指摘とてもありがたいです！またよろしくお願いします。 (2017年6月11日 0時) (レス) id: a0d445945d (このIDを非表示/違反報告)
夏 - 02【同調してくれただけ】→同情 じゃないですか？違ったらすみません (2017年6月10日 11時) (レス) id: 1a0acc03b3 (このIDを非表示/違反報告)
紫のユニコーン(プロフ) - 菜月さん» そう言っていただけると肩の力が抜けます…ありがとうございます！ (2017年6月1日 23時) (レス) id: a0d445945d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫のユニコーン
| 作成日時：2017年5月20日 16時
