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そして、私たちは沢山のアトラクションに乗って楽しんだ。
待ち時間もレトルトくんと沢山お喋りをして、全ての時間が幸せだった。
いつもの何倍も歩いているはずなのに疲れは一切感じなかった。
そして、気がつけば空はオレンジ色に染まり、園内は黄金に輝いていた。
私もレトルトくんも乗りたいアトラクションに乗れて、今はオシャレなテラスで園内を見渡していた。
周りには珍しく人はいない。
私が景色に見とれていると、不意にレトルトくんが口を開く。
「A。」
私はレトルトくんの声を聞いて振り向く。
「どうしたの？」
レトルトくんは私の横に来て、少し真剣な目を向ける。
「えっと、そのな…、今日は、Aに、伝えたいことがあって…。」
レトルトくんの話を聞いて何故か私の胸がトクトクと音を立て始める。
「えっと、その…、お、俺…、Aの事が好きです！付き合ってください！！」
そして、レトルトくんはバッと頭を下げて手を私に差し出した。
その瞬間に大きく1度、心臓がドクンと鳴る。
それと同時に、忘れていた、忘れようとしていた涙が、堪えられずに溢れ出た。
嬉しくて、悲しくて、幸せで、苦しくて、温かくて、辛い、そんな複雑な涙が、私の頬を伝った。
最初は抑えていた嗚咽も、抑えられなくなって少しずつ零す。
すると、私が泣いているのに気づいたレトルトくんがパッと顔を上げる。
「A！？A、ごめん、俺…。」
言葉の続きを言おうとするレトルトくんを止めて、私は首を振った。
「ち、違うの、う、嬉しくて…。」
私がそう言うと、レトルトくんはパァと顔を輝かせる。
「じゃあ、」
「でも、でもダメなの…！」
私はレトルトくんの言葉にかぶせてそう言った。
途端にレトルトくんの顔は曇り、私に尋ねた。
「な、なんで…？俺の何がいかん？Aの為やったら直すから！」
そう言う不安そうなレトルトくんの顔を見て、私の目からはもっと涙が溢れ出した。
「ち、違う、私は、レトルトくんの全部が好き！大好き！」
「A…？」
「だ、だけど、私…」
私はそう言って、レトルトくんに話し始めた。
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作者名：シーチキン | 作成日時：2021年3月31日 17時
