特別なR ②【rtrt】 (ページ11)

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26 告白ページ11

あの人から電話がかかってきて4日が経った。

今日はレトルトくんと外で遊ぶ約束をしている木曜日。

きっと、レトルトくんと会えるのは今日で最後。

そう思うと心が苦しくなって涙が溢れそうになる。

だけど、涙を零してしまっては止められなくなるから、レトルトくんに心配をかけたくないから我慢する。

それに、最後だから、思いっきりこの日を楽しもうと思った。

私は久しぶりにオシャレをして玄関の扉を開けた。

駅前に行くと、もう既にレトルトくんはいて、壁に背を預けていた。

(レトルトくん…。)

私はレトルトくんの姿を見つけて、1度立ち止まると、笑顔を作って駆け出した。

本当はめいいっぱいレトルトくんの名前を呼びたかったけど、人も沢山いるのでレトルトくんに近づいてから小さくレトルトくんの名を呼んだ。

「レトルトくん。」

「おっ、A、おはよう。」

「おはよう。」

レトルトくんの声を聞いて、私の作り笑顔は自然な笑顔へと変わる。

「ほな行こか。」

「うん！」

レトルトくんがそう言って、私はレトルトくんに着いて行く。

「レトルトくん、そう言えば今日はどこに行くの？」

行くと言ったものの私はどこへ行くのかまだレトルトくんから知らされていない。

レトルトくんは私の質問を聞くと、私の方を見てニコッと笑った。

「秘密。」

その仕草になんだかキュンとして私はおもわず下を向いた。

そして、私はレトルトくんと世間話をしながら歩く。

どこに行くのだろうと想像するが、今向かっている所にいまいちピンとこない。

電車に乗って、歩くと、私たちはあの有名な遊園地の前に来ていた。

私はレトルトくんを見上げて聞く。

「え、まさか…！」

すると、レトルトくんはイタズラを企んでいる子供のようにニヤリと笑った。

「そのまさかやで。」

レトルトくんのその言葉を聞いて、私は目を丸くした。

「う、うそっ！！ほ、ほんとに？冗談、とかじゃない？」

「ちゃうちゃう。ほんまに俺らは、今からこのでっかい国に入るんやで。」

私はもう一度、目の前に広がる世界を見上げると、目をキラッキラにして言った。

「レトルトくん！ありがとう！！」

すると、レトルトくんは優しく微笑んだ。