22 救世主 ページ48
あの日、レトルトくんとキヨと私で遊んでから、よく3人で遊ぶようになった。
レトルトくんと2人きりで会っていた時ももちろん楽しかったが、キヨが加わることによって、2人きりで遊んでいた時よりも、レトルトくんの中のレトルトくんが見れるようで嬉しかった。
やっぱり、女性の私と2人きりよりも、同じ男性の、しかも仲の良い人といた方が表情は現れるものだ。
私だって同じ立場に置かれたらきっとそうだろう。
だけど、いつか遠慮という言葉がひとつも無いくらい仲良くなって、私一人でもレトルトくんを今のような表情にさせてみたいと思った。
そして、今日は絵を売り出す土曜日。
レトルトくんは今日も来てくれて、沢山お喋りをした。
でも、ここはあくまで外だから、そんなに長々と喋ってはいられない。
なぜならレトルトくんは有名ゲーム実況者だからだ。
変な噂を立てられて、レトルトくんに迷惑をかけるようなことになってしまったら私は責任を取る事が出来ない。
それを分かって、お互い短く楽しく時間を過ごした。
そして、夜10時頃。
そろそろ一通りも少なくなってきたので私は絵を片付ける。
そうしているとお腹の虫がぐぅ〜と鳴った。
(お腹すいたなぁ、晩御飯作るの面倒くさいし、今日は何か買って帰ろうかな。)
そう思い、私は一旦家に帰って荷物を置くと、財布を持ってコンビニに向かった。
コンビニに着くと今食べたいものを選んで会計を済ませる。
お腹がすいている時は見るもの全部食べたくなって、全部買ってしまいたくなる。
だけど、それは今だけで、少しお腹が満たされてくると、コンビニで選んでいた時にあれほど食べたかったものはそれほどでもなくなる。
だから私はその事を考えて、今1番食べたいものを選んだ。
だけど、めちゃくちゃ悩んだ。
めちゃくちゃ悩んで会計して、コンビニを出る。
「ねーねー、おねーさん、こんな夜にコンビニで晩御飯?」
すると、少し歩いたところで見知らぬ若い男3人に話しかけられた。
こんな事は初めてだが、私はそれを無視して歩き出す。
「ちょっとおねーさん?なんで無視すんの?どうせ帰っても暇なら俺らんとこ来ない?」
これが俗に言うナンパというやつか、初めてされたぞ。
私は何を言われても無視し続けようと歩き出す。
「ちょっとおねーさん。」
そうしていたら、一人の男に肩を掴まれた。
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作者名:シーチキン | 作成日時:2021年3月11日 12時