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少し歩いて見覚えのあるマンションに着く。
そして、レトルトくんの住む部屋に行き、扉を開ける。
「さぁ、入って入って〜。」
レトルトくんにそう促され、私はそろりそろりとお邪魔する。
「お邪魔しま〜す。」
「ふふっ、そんな緊張せんでもええよ。」
「う、うん、ありがとう。」
そして、レトルトくんの部屋の中へ案内される。
レトルトくんが扉を開けると、遂にお部屋がご登場だ。
「わぁ〜!とっても綺麗…。」
そう、レトルトくんの部屋はとても整理されていて綺麗だった。
リビングはふかふかな緑の絨毯が敷いてあり、なんともレトルトくんらしい部屋だった。
私のぐっちゃぐちゃで狭苦しい部屋とは大違いだ。
「そこら辺に座ってて、今お茶持ってくる。」
「ありがとう。」
私はふかふかな絨毯に腰を下ろすと、キョロキョロと辺りを見渡した。
すると、かっこいいデスクトップが置かれているのに気づく。
(そういえば、レトルトくんってなんの仕事してるんだろ。)
デスクトップを使う人は最近の若い人では少ないだろうし、コンピュータ系の仕事にでも就いているのだろうか…。
そう考えていると、レトルトくんがグラスにお茶を入れて運んできてくれた。
「はい、緑茶なんやけどいい?」
「うん!私緑茶大好き!」
「ほんと?良かった〜。」
グラスを机に置くと、レトルトくんも床に腰を下ろす。
その様子を見て、私は尋ねたかったことを聞いた。
「ねぇねぇレトルトくん、レトルトくんってどんな仕事してるの?」
「えっ!?」
私が聞くと、レトルトくんはとても驚いた表情をしていた。
私、そんなに変なこと聞いたかな。
「あ、ごめん、気に障るような事だった!?」
「あ、いや、そんな事やないんやけど・・・、そやなぁ、Aやったら言ってもいいかもな。」
??
私の頭の中はハテナで溢れていた。
「A、ユーチューブって見てる?」
私がハテナを浮かべていると、レトルトくんは突然そんな事を聞いた。
「え?んー、あんま見ないかも・・・。」
「そっかー、そんでーそのユーチューブにな?ゲーム実況っていうジャンル?みたいなのがあるんや。」
「ほう。」
私は相槌を打ちながらレトルトくんの話を聞く。
「それで、それが、俺の仕事。」
「っへ?」
私は思わず間抜けな声を出してしまった。
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作者名:シーチキン | 作成日時:2021年3月11日 12時