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それにしても、どうして今まで気づかなかったんだろう…。
あんなに大切だったのに。
「それにしても、なんで忘れてたんやろなぁ。Aのこと。」
「ふふっ、今私も同じ事考えてた。なんで一目見た時、名前聞いた時に思い出せなかったんだろうって。」
「ほんと?笑 でもまぁ、最終的には思い出せたしいっか!」
「そうだね、ふふっ。」
そして、私とレトルトくんは立ち上がり広い所に出る。
その時、忘れていた腕の痛みがズキリと響いた。
「うっ、痛ぁー。」
「大丈夫?うわ、すごい出血やな。病院行く?」
「い、いいよ〜このくらい、大丈夫だよ。」
「ほんとにか?一応手当くらいしとかんと、そっからばい菌入ったら危ないし…。」
「そうだね、じゃあ、包帯買う。」
「うん。そうしとき。」
という事で、私達は包帯を買いに行くことになった。
包帯を買うと、早速怪我したところに巻く。
血が結構出ていたので軽くティッシュで拭いてから巻くことにした。
「あ、あれ〜、上手く巻けない…。」
「貸してみ。」
私が上手く包帯を巻けずにいると、レトルトくんが巻いてくれた。
「ありがと、レトルトくん。」
「男やったら、こんくらい出来んとなぁ。」
「ふふっ。」
前まで商売人とお客さんという関係だったのに、今ではうんと距離が近くなって素直に嬉しい。
レトルトくんとの間の壁が無くなったみたいでとても心がスッキリしている。
レトルトくんに手当してもらった後、私はレトルトくんと一緒に過ごした。
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作者名:シーチキン | 作成日時:2021年3月11日 12時