娥娥 ページ9
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次に目を覚ました時、ラグーザ様のベッドに寝ていたことに気付いた時は、失神するかと思いました。
急いでベッドから下りたところで、窓辺付近に立つラグーザ様が振り返ります。月明かりの下に照らされた主の美しさに、目を奪われました。
「起きたか」
その声にハッとして、慌ててラグーザ様の近くに寄ります。
その場で跪き、謝罪の言葉を口にしました。
「申し訳ございません、ラグーザ様」
「俺が勝手に運んで寝かせただけだから気にすんな」
「しかし、」
主の寝床に触れてしまうなど、あってはならないことです。
貴族は、性に対して過剰な程羞恥心を持っています。
契りを交わす前の異性が寝室を睡眠以外の目的に使用するのは、不健全極まるどころか不道徳であると。そうラグーザ様も、幼少期頃に嫌という程教わられたでしょう。
これがもし公となれば、もう私の命はないでしょう。貴族とは、そういうものなのです。
「いいから立て」
そのご命令により、恐れ多くもラグーザ様との視線をいつもの距離に合わせます。ラグーザ様、と小さく呟いた時でした。
「それといい加減、呼び方変えろよ」
突然のご要望に思わず、首を傾げざるを得ませんでした。
呼び方、と言いますと。今のままですと、何かお気に障ることがあるのでしょうか。
「ラグーザ様…では駄目でしたでしょうか」
「それ俺の名前じゃねえし」
なんとも贅沢なことを。他の貴族からしましたら、喉から手が出るほど欲しい名でございますが。いえ、今はそんなことは置いておきましょう。
「アレクサンドル様、とお呼びすれば良いでしょうか」
「まあ今はそれでいいか」
満足そうな顔を目に、ほっと胸を撫で下ろしました。
今は、と仰ったことには気づかないふりをしておきます。
きっと、ラグーザ様のことをこれ以上の名前で呼ぶことは、絶対に出来ないはずですから。
もしその時が来るのなら、きっとそれは私が貴方様の召使ではなくなった時⋯⋯⋯⋯⋯否、召使と当主という、超えてはならない一線を超えた時のみです。
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空梅雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます…！本日やっとで更新しました、ご返信遅れてしまいすみません🙇🏻♀️❕励みになります、頑張ります！ (2月25日 17時) (
レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
あめ - めちゃめちゃお話最高です…！！お話の続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2月20日 8時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 空梅雨さん» いえいえ、こちらこそすぐに対応していただきありがとうございます。空梅雨様の執筆活動応援しております。更新楽しみにしております。 (2月17日 2時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - 髑髏さん» すみません、これ最初が逆になっておりました...！コメントありがとうございます、このまま気づかず完結までずっと間違えたままにしておいたと思うとゾッとします。とても助かりました🙇🏻♀️ (2月16日 23時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 気になった点がありましたのでコメント失礼致します。kzhのファーストネームはlgsの方ではなくalxの方です。空梅雨様の小説ではファーストネームとファミリーネームが逆で書かれているのはわざとでしょうか？語気が強くて申し訳ありません。 (2月16日 22時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空梅雨
| 作成日時：2024年2月15日 17時
