憤怒 ページ7
.
「誰にやられた」
「ぇ」
「誰に盛られた」
パチ、と目が合った瞬間_____身の毛がよだつような気がしました。眉間に皺を寄せ、低く平坦な声で迫ります。
「っおい...!なぜここにラグーザ家の三男坊が、」
「知りませんよ、それよりあの召使は⋯⋯」
「─────お前らか」
氷のような冷たい目だと思いました。
まるで背筋がゾッとするような目でした。その場の空気が凍りつきます。
瞳の奥が一段と真っ赤に染まり、激怒しているのだと、その場の誰もが一瞬で理解をしました。そして何事だと、周囲までもがざわめき始めます。
そんな中、主の細長い人差し指がピンと伸び、鋭利な凶器のような爪の先が二人組の男を指しました。
「処分しておけ」
その言葉で、一気に周囲がどよめきました。
顔面蒼白と化した二人組が、視界の隅に映ります。
ハッと主の言葉を理解したのか、弁解と謝罪の言葉を交互に繰り返すも、無意味のようで。
ラグーザ様が、もう一度振り向くこともありませんでした。
「..................おい」
「っぁ、」
呆気に捉えていれば、目の前にラグーザ様のお顔が一気に近づきます。視線が同じ位置にありました。まさか、膝を付かれているのでしょうか。
「起き上がれるか」
ふるふる、と小さく首を横に振ります。
______情けない。自分の不甲斐なさに瞼を瞑りました。
分かった、と小さく頭上から一言が振ってきたかと思えば。
次の瞬間、膝裏に腕を回され、身体がふわりと宙に舞います。
抱き抱えらたのだと、覚束無い頭の中でも即座に理解しました。
慌てて、ラグーザ様、と声を上げます。
「人目があります、どうか下ろして下さい...!
こんなところ人にでも見られたらっ、⋯⋯⋯⋯⋯んっ」
.
407人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空梅雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます…!本日やっとで更新しました、ご返信遅れてしまいすみません🙇🏻♀️❕励みになります、頑張ります! (2月25日 17時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
あめ - めちゃめちゃお話最高です…!!お話の続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2月20日 8時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 空梅雨さん» いえいえ、こちらこそすぐに対応していただきありがとうございます。空梅雨様の執筆活動応援しております。更新楽しみにしております。 (2月17日 2時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - 髑髏さん» すみません、これ最初が逆になっておりました...!コメントありがとうございます、このまま気づかず完結までずっと間違えたままにしておいたと思うとゾッとします。とても助かりました🙇🏻♀️ (2月16日 23時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 気になった点がありましたのでコメント失礼致します。kzhのファーストネームはlgsの方ではなくalxの方です。空梅雨様の小説ではファーストネームとファミリーネームが逆で書かれているのはわざとでしょうか?語気が強くて申し訳ありません。 (2月16日 22時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空梅雨 | 作成日時:2024年2月15日 17時