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苦味 ページ5

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グランドピアノの旋律が会場を包み込みます。

豪華絢爛という言葉がぴったりなのでしょう。立派な建造物の天井には、繊細なシャンデリアがいくつも吊るされており、それには思わず目が眩みそうでした。


頭を悩ませ、出た結論は今回のパーティは裏方のような形で参加させて頂くこと。これなら問題はないでしょう。





「そこの者」

「はい」




不意に呼び掛けられ、小さく手招きをされます。




「これを戻してきて」

「⋯⋯⋯⋯⋯かしこまりました」




まだ半分程ワインが残っている透明なグラスを受け取ろうとすれば、ひょいっとグラスが離れ手が空を切りました。



何でしょう。

ワイングラスを片手に、ニヤニヤとどこか気味の悪い笑みを顔にするのは、この社交界に呼ばれた者____否、どこかのお家の貴族なのでしょう。




「これあげる」




そんな台詞と共に、いつの間にか口元に添えられたワイングラス。飲め、ということでしょう。




「いえ、私のような者がこのような高価なものは頂けません」




丁重に断りを入れ、頭を下げました。
その時でした。顔を掴むように上げられたかと思えば、




「良いから飲めって...!」




ぐ、と押し込まれました。
冷たい感触が唇に触れ、何かが口内に流し込まれました。ぐ、と液体が体内を押し込まれように、伝います。

抵抗しようにも、その権力を前に私は為す術がありません。



ごく、と何度か喉を鳴らした後は、こほこほ、と咳き込みます。私が一生口に出来なかったであろう、高級ワインの甘美とは別に、どこか後味の悪さだけが残りました。





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空梅雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます…!本日やっとで更新しました、ご返信遅れてしまいすみません🙇🏻‍♀️❕励みになります、頑張ります! (2月25日 17時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
あめ - めちゃめちゃお話最高です…!!お話の続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2月20日 8時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 空梅雨さん» いえいえ、こちらこそすぐに対応していただきありがとうございます。空梅雨様の執筆活動応援しております。更新楽しみにしております。 (2月17日 2時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - 髑髏さん» すみません、これ最初が逆になっておりました...!コメントありがとうございます、このまま気づかず完結までずっと間違えたままにしておいたと思うとゾッとします。とても助かりました🙇🏻‍♀️ (2月16日 23時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 気になった点がありましたのでコメント失礼致します。kzhのファーストネームはlgsの方ではなくalxの方です。空梅雨様の小説ではファーストネームとファミリーネームが逆で書かれているのはわざとでしょうか?語気が強くて申し訳ありません。 (2月16日 22時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空梅雨 | 作成日時:2024年2月15日 17時

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