The love【kzh】

美貌 ページ3

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結局、ラグーザ様のその願望は叶いませんでした。



きっとお父様の計らいでしょう。
パーティ当日から監視の目が過剰な程行き届いており、その中で逃げるなど到底不可能でした。





「さっさと終わらせて帰る」





パーティ開始の数時間前から、お屋敷は大忙しです。
かという私も側近としての役目を果たす為、身支度から監視まで尽力していました。

そして、ブツブツと不満を募らせるラグーザ様の言葉は、左から右へと聞き流します。





「そうならないよう願っております」




げんなりとした顔でも、その美貌は目を見張るものです。きっと今夜も、良家の令嬢達の目を輝かせるでしょう。

装飾が丹念に施された召し物を身に纏われた主は、息を呑むほど美しい姿でした。





「よくお似合いです、ラグーザ様」





本心をそのまま口にします。
そして行ってらしゃいませ、と続けて掛けた言葉に、不思議そうな顔で首を傾げたラグーザ様。




「おめーは来ねえの」

「私どもはラグーザ様のお帰りをお待ちしておりますので」

「ふーん」




そう。ここまでなら良かったのです。
私のことなど、聞き流してもらえれば良かったのです。




「よし、決めた」




子供のような無邪気な表情で、否、自信の満ちた表情で人差し指をピンと立てて、続けます。




「なんでしょう」

「お前もパーティに参加しろ」




＿＿＿＿＿＿＿私の主は一体、何を仰っているのでしょうか。





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