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招待 ページ17

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あの日、アレクサンドル様のお父様に呼び出された私は、ラグーザ家から出ることを言い渡されました。アレクサンドル様と私が何度も密会をしていたことが耳に入ってしまったのです。


親密な関係ではないと否定したので、この命だけは助かることになりました。私が生きていて、運が良かったことのひとつでしょう。






ラグーザ家を去った後、私が行き着く場所はただひとつでした。

戻りたくは無かったものの、ここでしか私は生きていくことが出来なかったのです。行き着いた先は、私が生まれた家でした。





「招待状が届いております」





目の前の現在の主は、フン、と澄ました顔で、招待状をひったくるように奪います。

不服そうな顔をしながらそれに目を通した瞬間、主の顔が一気に綻ぶような笑顔に変わりました。





「アレクサンドル・ラグーザ様だわ!」




ドキリと心臓が鳴りました。
アレクサンドル・ラグーザ様。その名前に思わず、ピクっと身体が反応します。





「今日はもういいわ、下がって頂戴」





再び向けられた鋭い目に、私は「はい」と答えるだけです。
「失礼します」とだけ言葉を残して、その場を後にしました。





「またあの御屋敷に呼んで頂けるなんて、やっぱりアレクサンドル様は私に気があるのね。当日はどんなドレスを着ていこうかしら!楽しみで仕方ないわ」





満悦なご様子に、少しばかり安堵しました。

______アレクサンドル様。
その名が出た時は、心臓が止まってしまうかと思いました。
まだあの御屋敷を離れてから、ひと月ほどしか経っていませんのに。





「懐かしい、ですね」





お元気なのでしょうか。
もう魔界にはおらず、人間界へと足をお運びになられたのでしょうか。身体はもう平気になられたのでしょうか。



頭の中は、アレクサンドル様のことでいっぱいでした。
いつからでしょう。こんなにもアレクサンドル様に、惹かれていたのは。





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空梅雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます…!本日やっとで更新しました、ご返信遅れてしまいすみません🙇🏻‍♀️❕励みになります、頑張ります! (2月25日 17時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
あめ - めちゃめちゃお話最高です…!!お話の続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2月20日 8時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 空梅雨さん» いえいえ、こちらこそすぐに対応していただきありがとうございます。空梅雨様の執筆活動応援しております。更新楽しみにしております。 (2月17日 2時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - 髑髏さん» すみません、これ最初が逆になっておりました...!コメントありがとうございます、このまま気づかず完結までずっと間違えたままにしておいたと思うとゾッとします。とても助かりました🙇🏻‍♀️ (2月16日 23時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 気になった点がありましたのでコメント失礼致します。kzhのファーストネームはlgsの方ではなくalxの方です。空梅雨様の小説ではファーストネームとファミリーネームが逆で書かれているのはわざとでしょうか?語気が強くて申し訳ありません。 (2月16日 22時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空梅雨 | 作成日時:2024年2月15日 17時

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