The love【kzh】

秘密 ページ11

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そしてパーティ会場でも、私に向けられる一部の視線は変わりませんでした。もう貴族の方まで噂が流れているのでしょう。

そして一番鋭い視線を感じた方面から、手招きされたかと思えば、次々に言葉を浴びせられることとなったのです。





「あなた、サーシャ様の側近？」
「左様でございます」

「ふーん、あんたみたいなのがサーシャ様の？」
「誠に恐縮ながら」

「あなたがサーシャ様に抱えられて、一線を交えたなんて話、本当なのかしら」
「⋯⋯⋯⋯」





噂話は、どうもこうも耐えませんね。ただ半分正解で、半分不正解なので、噂話と言えるかは微妙なところですが。





「私はあなたが無理を言ってサーシャ様に迫ったと聞きましたよ」
「清楚な顔をしておいて、なんて卑猥なのでしょう」





くすくす、と嘲笑う声が脳内に響きます。ここは無視が一番です。

どうせ全て嫌味ですから。今私などが口を開けば口答えをしているなどと言われ、今度は横暴で身の程知らずだと罵られるでしょう。



何事も穏便に。ここで問題を起こすなど、以ての外です。





「あら、もしかしてあなた、以前どこかで会わなかったかしら」




ふと中心に立っていた彼女が、思い出したかのように口を開きます。そして不思議そうな顔から、一気に表情筋が動きました。





「思い出したわ、あなた私と同じ家で生まれたのよね」
「あら、そうでしたの？」
「まあ、初めて聞きましたわ」

「驚くのも無理はないわ。だってこの子、現当主と召使の間に出来た隠し子なんですもの」





きゃあ、と小さく悲鳴が上がりました。





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