魔界 ページ2
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そしてラグーザ様が人間界から再び魔界へとお戻りになられたのは、予想以上に早いものでした。
「ラグーザ様がお帰りになった！」
凛とした声が響いて、空気が一変しました。
その場にいる全員が手を止め、道を開け、主の敬意と忠誠を表すため深々と頭を下げます。
無論、私も例外ではありません。
「おかえりなさいませ、ラグーザ様」
「おー」
少し気だるけな声と共に、
一ヶ月ぶりにその姿をこの目に移しました。
自室へと向かう主の３歩後ろを、着いていきます。
自室に向かわれると着替えは他所に、ソファへと倒れ込みました。
「人間界はどのようなご様子でしたか」
「普通。でもこっちより断然楽」
「左様でございますか」
ソファに顔を沈めたまま、チラリと視線を寄せます。覗く真っ赤な瞳が、ぎらりと向きました。
「そっちは」
「何事もなく。主の帰りを待ち侘びておりました」
「──────お前が？」
「いえ。私ではなく、お父様ですが」
きっぱりと清々しく言い切ります。
ええ、もちろん私もお帰りをお待ちしておりました。ですがそれを口にするのは、不毛なことです。
「ッスゥ────⋯お前なあ」
「はい」
「期待させるようなこと言うな」
はあ。
「事実を申し上げたままですが」
何か問題でもありましたでしょうか、と主に問いますと、｢あーもういい」と仰ったまま。又もや顔を背けてしまいました。
何かしてしまったでしょうか。
「お父様から伝言を預かっています」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
「ラグーザ様のお帰り次第、舞踏会を早急に行うと」
「めんどくせえ⋯⋯」
ええ、その貴族らしらかぬ発言は聞かなかったことにしましょう。何を隠そう、私の仕えるラグーザ様は社交界を貴族の誰よりも嫌っています。それは一目瞭然なのです。
故に滅多に社交界には参加せず、顔を見せれば空から槍が降るのではないかと囁かる程でした。
「当日テキトーにバックれるわ」
「お父様に叱られますよ」
「いつものことだろ」
そういうところがですよ、と心の中で呟きました。
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空梅雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます…！本日やっとで更新しました、ご返信遅れてしまいすみません🙇🏻♀️❕励みになります、頑張ります！ (2月25日 17時) (
レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
あめ - めちゃめちゃお話最高です…！！お話の続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2月20日 8時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 空梅雨さん» いえいえ、こちらこそすぐに対応していただきありがとうございます。空梅雨様の執筆活動応援しております。更新楽しみにしております。 (2月17日 2時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - 髑髏さん» すみません、これ最初が逆になっておりました...！コメントありがとうございます、このまま気づかず完結までずっと間違えたままにしておいたと思うとゾッとします。とても助かりました🙇🏻♀️ (2月16日 23時) (レス) id: 4ca18e6f9b (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - 気になった点がありましたのでコメント失礼致します。kzhのファーストネームはlgsの方ではなくalxの方です。空梅雨様の小説ではファーストネームとファミリーネームが逆で書かれているのはわざとでしょうか？語気が強くて申し訳ありません。 (2月16日 22時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空梅雨
| 作成日時：2024年2月15日 17時
