私がアイドルを辞める時【3】

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次の日、私は泣き腫らしたせいか目が少し赤くなっていたけど、それはオンニも一緒だった。


顔を合わせて早々に、Aオンニが「昨日はごめんね」と
謝ったから。涙の跡が頬に残っていたから。昨日の夜、何があったかなんて聞けなかった。






「次のフィンランドのライブが終わった後は韓国で最後だよね、あと2公演頑張ろう」






ワールドツアーもあと残り僅かだった。
最初に私の本国である韓国から始まって、最後も韓国で終わる。そしてとうとう、最後の公演がやってきた。






「A！다희(ダヒ)！서윤(ソユン)！수린(スリン)！L’Aile！」






Cielと会える、ライブの時間が好きだった。
段々とフィナーレが迫ってくる中、メンバーそれぞれが感謝の言葉を述べていく。

次は、私の番だった。



自分の言葉で沢山の「ありがとう」を伝えるのは、今日見に来てくれた両親と事務所の方々、それにCielの皆。






同い年だからこれまで沢山話し相手になってくれたソユン。
Aオンニが居ない時、代わりになって私たちをまとめてくれたダヒオンニ。⋯⋯⋯⋯⋯⋯そして、






真面目で、努力家で、しっかり者で、いつも私たちを引っ張ってくれたAオンニ。そんなオンニだから、私はきっと、






「⋯⋯⋯⋯⋯⋯Aオンニ」

「ん？」

「”愛しています“」







＿＿＿＿＿＿＿好きになったの。


愛しています、と韓国語で口にすれば、直後大きな歓声がイヤモニ越しに聞こえた。私なりの、けじめのつもりだ。


だって、






「ありがとう、スリン」






同じ「愛してる」は返してくれないのは知っているから。





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