パパ活

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まだまだ降り続く雨を傘が遮る。
視界が悪い雨の中で、傘を私に差し出すまふくんの目をじっと見ていた。

雨に打たれた体に、水が纏わりつく感覚すらなくなって、心がふわふわした感じがする。




嬉しさと、驚きと、そんな気持ち。

私がそのまま突っ立っていると、まふくんは私の濡れた体を見て、少し焦ったような顔をする。






『大丈夫だよ。傘、ほんとにありがとう』






喉から出た声は、ちょっとだけ掠れていた。

なんとかそう言って、まふくんが差し出してくれた傘を受け取ろうとする。その時、彼の細くて長い指に触れた気がした。






「ごめん」

『え、何が？』






ふと、私の頭上から聞こえた言葉に訳が分からず、首を傾げていると、まふくんは続ける。






「その、僕がもっと早く雨に気付いてたら、
こんなに.......Aちゃんが濡れること、なかったから」






深刻そうな表情を浮かべて、ごめん、ともう一度彼は言った。思ってもみなかった言葉に、私は一瞬言葉に詰まる。

申し訳なさそうな顔で見つめるまふくんに、気にしてないよっと明るい声のトーンを意識して、口にする。そして、感謝の気持ちをそのまま言葉にした。






『こんな雨の中、傘を届けてくれてありがとう』






ポツポツ、ザァザァと降るその雨に紛れて、私の声は彼に届いたみたいで。まふくんが何か言おうと思ったのか、口を開いた時。

ひゅーっと音を立てて、風が通り過ぎた。




＿＿＿＿＿＿＿その瞬間。

雨で濡れた自分の体に、冷たい風が直撃して。体がぶるぶるっと震えて、くしゃみをこぼした。





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