高嶺の花子さん【橙】 (ページ10)

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放課後。

こっそり帰ろうとしていたら章ちゃんに見つかった。

「あぁーっ！マルおったぁー！？どこ行ってたん、どないしたん…心配したんやで？」

「あぁー、なんもないよ？ちょっと、お腹痛くて・・・」

「プリンあんだけ食べたらなぁ・・・」ﾊﾞｼｯ

「大倉っ！おま、よぉわからんけど空気読め！ごめんなぁ、ほなごゆっくりぃ♪ほら、行くでっ！」

となりにおった大倉をとなりにおったすばるくんが止めてくれて

そのまま２人は、またな、って言ってどこかに消えてしまった。

「・・・ぷりん？」

「なんもないで、あはははは。そんで？話って・・・」

「あぁー、そうっ、海っ！この前、A誘って、２人で海行けばゆうたやーん？」

「え…、」

「善は急げってゆうやろぉ？やから、はよ日にちとか決めてもらおうとおもて。なぁ、いつ空いてるぅ？」

「章ちゃんは…？」

「ふぇ、ぼく？」

「え、おん。」

「・・・なんでやねーん、なんでついてかなあかんねんっ、２人のデートに。保護者かっ！」

・・・で、でー…、と？

「えぇー！？待って、待って？章ちゃん何ゆうてるん!?自分の言うてることわかってる!?」

「・・・むぅ。俺、まるが思ってるほどそんなアホちゃうからな？」

ほっぺた膨らませて、唇を尖らせて、上目遣いで僕を見る。

・・・う、かわええ…やなくてっ！

「いや、アホやろっ！自分の、かの・・・」

「そんで、いつ空いてる？」

・・・あ、流された。

「できれば早めがいいんやけどなぁ。」

「・・・今週の日曜日…、とか？」

「おっしゃ、了解っ！絶対やで？逃げんとってなぁ？」

「え、あ、お、おん。」

「ふふ、楽しみやね♪」

「えっ、？安田くー…ん、」

「～♪」

あぁ、もうダメやわ。安田ワールドに入られましたわ…。

なぁ、嘘やろ、ヤス。

自分の彼女をほかの男と遊びに行かせるって…、

「あ、そうやー。まる～、今日先帰っとって♪」

「・・・あ、おん。」

今週の日曜日、

・・・あと、３日か。

海行って、なんとなーく夏特有の雰囲気に流されて僕のものに・・・

まぁ、なるわけないか。