サファイアの瞳 (ページ10)

今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:27,600 hit

▽ ページ10

am.6:45、普段通りの朝。
準備して、水を片手に練習室へ行くともう人がいた。

dn「あ、Aおはよう、よく寝れた？」

もっと早い時間に練習しているのか、彼は少し額に汗をかいていた。

『おはようございます、チャニオッパ』

dn「めちゃくちゃ来るの早いね、このビルに住んでいるの？」

『あー、そうです、事情があって』

dn「じゃあこれからもこの時間に会えるってこと？嬉しい」

彼は距離の詰め方が12人の中で一番上手い。
気がついたらパーソナルスペースに入っているタイプの人。
でも余程のことがない限り触ってくることもなければ嫌な感じは無い。

『チャニオッパも早いですね、いつもこの時間に？』

dn「うん、早く踊りたくて」

『尊敬します、』

これは本音だ。本当に尊敬している。
チャニオッパはダンスのキレがすごく、スニョンオッパと並んで踊っても違和感がない。
練習生期間がいちばん長いスンチョルオッパも賞賛していた。

7:00を越すとちらほらと人が増え、邪魔にならないよう端っこでフォームの練習をしていたら拙い韓国語で声をかけられる。

jn「おはよう、A」

『おはようございます、えと、ジュンさん』

jn「みんなみたいに呼んでほしい、僕は中国人だからまだ韓国語が難しくて、できたら仲良くして欲しい」

『わかりました、ジュニオッパ。私でよければ韓国語の練習付き合いますよ。英語との互換は出来ますか？』

jn「えと、英語はなんとなくわかるよ」

『なら大丈夫、これから宜しくお願いします』

にこ、と微笑むと、ぱぁっと明るくなる顔。
中国から韓国に来て、ずっと宿舎暮らしとなるとかなり不安だったのだろう。
オッパたちがいても心細いだろうから、私も少し力になりたい。
挨拶が済むと彼はよく笑うようになったし、なぜか私のそばに来るようになった。
それに気づいたチャニオッパとスニョンオッパが取り合いをすることが増えた。
見かねてハニオッパがこっちおいで、と助けてくれるけれど、結局ジスオッパとスンチョルオッパの3人に挟まれてあまり変わらない。
というのが日常になった。

練習を何度も積み重ね、歌のレッスンもした。
賞賛されたが、あんなものじゃデビューなんか出来ない。
そう思わないと私はこのグループではやっていけないだろう。

そして2013年12月、2人目の中国人が入社した。