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wz「!?A、戻ってこい」
「A、まって」
また彼女の頬に傷がつく、そう思った時。
まるで“慣れている”かのように首を捻って平手打ちを避けるA。勢い余って倒れ込むサセン。
空港にいる全ての人が彼女たちを見る、否、見入ってしまう。
そしてAは倒れたサセンの前にしゃがみこみ、
『─────────・・・』
ボソボソと何かを呟く。
とても静かな空間だったけれど、話は不思議と聞こえなかった。
けれど、何かを言われたサセンは<何か恐怖を煽るには十分な存在に出会ってしまった>かのように冷や汗をかき、顔色は真っ青になった。
「……ごめんなさい」
『いいの、貴方こそ倒れたでしょう?大丈夫?』
そうニッコリ微笑みながら手を取り話しかける彼女はまるで女神のように美しかったけれど、彼女の手はガタガタと震えていた。
それを見ていたウジはAに近づき、もう行くぞと声をかける。
サヨナラ、と手を離しウジと手を繋ぐA。
『ジュニオッパ、ほら早く行こう』
「あ、うん、」
サセンの彼女は警備員に連れられ、僕達は搭乗口へと足を早めた。
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱
「ねえA、さっき彼女になんて言ったの?」
『?…知りたいの?』
「そりゃ気になるよ、彼女、顔が真っ青だったよ」
『んー…内緒』
「なんで?」
『だって言ったらつまらないでしょう?』
そう言ってクスクスと笑う彼女は先程のような女神のオーラを放っているのに対し、影があるようにも見えた。
彼女が僕に“だけ”話してくれる日を待っているけれど、ディノよりかは遅そうかな。
僕には目の前で笑う彼女がとても美しく、僕だけのものにしたいと思わせるくらい愛しい存在だけれど。
先程のサセンの彼女から見たAはどんな印象だったのだろうか。
少しだけ気になるけれど、たとえどんな一面を見たとしても僕にとって愛しい彼女の1部でしかないことに変わりは無い。
盲目だって?
そんなの僕だけじゃなくて、グループのみんなそうなんだよ。
ヒョンも、弟たちも、みんなAに夢中。
Aの為だけに愛を囁いてる。
こんなこと知ったらCaratは逃げちゃうね。
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作者名:輝夜 | 作成日時:2023年4月2日 16時