サファイアの瞳 (ページ24)

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hs side

隣で泣いているAの肩を抱くことしか出来ない自分に【なぜ違和感に気づいていたのに寄り添わなかった？】と自問自答するしか出来なかった。

兄たちが動くまで自分は何も出来なかった、その事実が悔しい。しかも彼女は泣く羽目になってしまった。

【思春期】は誰しもに来るものだと思っていたけれど、そうじゃなかったことのショックが大きかった。
完全に自分の判断ミスだった。

そんな後悔をしていても隣で小さな体を震わせながら泣いている彼女のツラさは変わらない。

「A、」

『ん、なぁにオッパ、』

返事をしたAは涙を沢山流して目が赤くなっている、こんな状況なのに心臓が跳ねるほど美しかった。
本当に自分はこの空間に場違いだと自覚するほど、それほど彼女の泣いている姿に心を打たれて勝手にときめいていた。

「沢山泣いたから目がうさぎみたいに赤くなってる」

『もう大丈夫、オッパたちがいるもん』

jh「うさぎならオッパと一緒だねー？」

dk「ヒョンは某ペット映画のうさぎでしょ？」

sc「ドギョム、やめとけw」

『オッパ、あのうさぎ可愛くて私好きだよ』

jh「Aがそう言うならもうなんでもいいや」

dn「なんでこのヒョンはAにだけデレデレなの？」

vn「1番可愛がってるからじゃない？」

メンバーと話すとだんだん落ち着いてきたのか少し笑うようになったA、やっぱりAは笑顔が一番似合う。

くすくすと笑うAを見てヒョンも弟たちもみんな少しほっとしていた、話し合いはあまり進んでないけれど、結果として彼女が安心できるならそれで良かった。

ただ、泣いている姿も愛おしかったのは俺の心に閉まっておく。
きっとみんな同じように思ってるだろうけど隣で涙を流していたAは、サファイアからこぼれ落ちる宝石を生み出す女神のように美しく、儚く、目を逸らせば消えてしまいそうなほど幻想的だった。

きっとこんなことを言ったらディノに怒られそうだ。