SJ 草食Ｋ？Ｒ？Ｙ！２

84.メール ページ34

いぇそんさんにお土産を聞かれた時に、お母さんとの話を思い出していた
お父さんといぇそんさんが温泉に出掛けている時に聞いた話を


『いぇそん君ってパパの若い頃と似てるかも。
不器用で奥手なのに無意識に積極的じゃない？』

『お父さんとお母さんの馴れ初めって聞いたことなかったけど、どんなだったの？』

『お見合い結婚なのは知ってるよね？
初めて会った時、パパがママに一目惚れしたのね。
デートには誘ってくれるんだけど、会うと何か言いたそうにモジモジしてて。
あの大きな体で笑っちゃうでしょ？そんな姿が可愛く見えてママも好きになっちゃった』

『それからすぐに結婚？』

『それからが大変！
パパの気持ちは伝わってくるんだけど、肝心な言葉が全っ然貰えなくて。
だからね、ママはパパが好きなんだよっていうのを匂わせた手紙を渡したの。私にもお手紙くださいって。
そしたら次のデートでちゃんと返事を書いてきてくれて…そのうち手紙でも言葉でも気持ちを伝えてくれるようになって、気付いたらあんなパパになっちゃった！』


初めて聞く話はまるで自分の話のように感じた
手紙かぁ、時代だよねー
だから、お母さんを見習っていぇそんさんに伝えた
メールが欲しい、と


「メールって、何送ればいいのか」

「何でもいいの、写真とかでもいいし」

「写真…そうか！それなら一杯送れる！」

「楽しみにしてるね」


写真と聞いてテンションが上がったいぇそんさんを宿舎まで送る


「いつ出るの？」

「明日の朝だよ」

「そっか。気をつけて行ってきてね」

「ああ、メールたっっっくさん送るから」

「うん、じゃあまたね」


いぇそんさんと別れて自分のアパートに帰ってきた
やっぱり少し怖い
気を紛らわそうと携帯を見ると、早速いぇそんさんからメールが来ていた


―今日はありがとう。これ、待ち受けにしてもいいと思う？


そこには私の両親と一緒に写ったいぇそんさんのセルカが添付してあった
いつの間に撮ってたの…笑えるなぁ
私もすぐ返事をする


―それもいいけど、こっちの方がオススメ(笑)


実はこっそり撮っておいた、食べ物を持って楽しんでいる両親と、それを口に詰め込まれて苦しそうないぇそんさんの写真を添付して送信した

85.写真、空港にて→←83.似てる

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