82.背中 ページ32
「いぇそん君、これ美味いぞ?ほら口開けて」
「いぇそん君こっちも食べてみて、あーん」
「は、はひ…」
食事の誘いを断りきれず、Aのお母さんの手料理をご馳走になっている
ご両親から代わる代わる口に詰め込まれる料理
口一杯に頬張って食べさせ合うのはこの家の食べ方らしい
Aはひとりで黙々食べてるけど、俺たちを見ては溜め息をついている
そういえば、家に着いてからAと会話していない…
ご飯食べ終わったらこの後どうするか聞こう
「ご馳走さまでした」
「いい食べっぷりだ!がははは」
「沢山食べてくれてママ嬉しいわ」
「美味しかったです、とっても」
ニコニコ顔を合わせて嬉しそうなご両親
そろそろ帰れそうな雰囲気
Aと目を合わせると、小さく頷いたから立ち上がる
「じゃあ、そろそろ…」
「そうだな、いぇそん君パパと一緒に行こう!」
きっとAが「帰る」と言おうとしたのを遮られ、俺はお父さんに押されて外に連れ出された
「お父さん!?」
「いってらっしゃ〜い」
Aもわけがわからないらしく慌てて追い掛けてきたけど、俺は車に乗せられ笑顔で手を振るお母さんに見送られて走りさった
「温泉は好きか?近くにいい温泉があるんだ」
俺によくしてくれるのは、娘の彼氏だからだよな
本当は彼氏じゃないんです…いずれなりたいとは思ってるけどまだ友達なんです…
言ったらAのお父さん悲しむかな
温泉の効能を詳しく話しながら運転するお父さんの横顔を眺めながら心が痛くなった
「背中流しましょうか」
「え!いいの?お願いしようかな?」
温泉は貸し切り状態で、お父さんと2人でお湯に浸かる
いちいち隠すな!とタオルをはぎ取られたが、その瞬間のお父さんの「おっ」と言った顔を忘れる事はないだろう
「Aは俺に似て意地っ張りな所があってな。
些細な事で喧嘩して家を飛び出したきりになっていたが、弟から連絡をもらって心配になって…顔を見れて安心したよ」
「些細な喧嘩?」
「なに、彼氏を紹介しろって言ったらいないと言うからな、ちょっと馬鹿にしてやったのがどうも気にさわったらしい…。
今はこうして君を紹介してもらえたから、やっとこの喧嘩も終わりだな」
「娘を、よろしく頼む」
振り返ったお父さんの目は潤んでいた
俺は色んな気持ちを込めて丁寧に背中を流した
ラッキーアイテム
革ベルト
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じょすぺ(プロフ) - るーいさん» ありがとうございます!まだほかの作品も書いてるのでよかったら読んでみてください♪ (2014年12月19日 6時) (レス) id: 1ae1aca594 (このIDを非表示/違反報告)
るーい - すごく楽しくキュンキュンしながらみてました~最高です(o^−^o) (2014年12月18日 2時) (レス) id: 1daa9b3578 (このIDを非表示/違反報告)
josp - さつきさま 「しょぼーん」って実際に言ってるいぇそんさんがパボでしょ?(^^) 私はお尻フェチ(笑 (2011年1月17日 13時) (携帯から) (レス) id: 00aad8e2be (このIDを非表示/違反報告)
さつき - 気づきましたよ(笑)エッって思って何回も読み返しました(^^ゞ…お尻をフリフリするイェソンかわいい♪花束くれるなんて(〃▽〃)素敵!最後の「しょぼーん」がイイ(*≧m≦*) (2011年1月14日 17時) (携帯から) (レス) id: fd952532e0 (このIDを非表示/違反報告)
josp - さつきさま 言い間違い気付いてもらえてヨカッタ!誤解はしないんですよーふふふ (2011年1月14日 8時) (携帯から) (レス) id: 00aad8e2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:josp | 作成日時:2010年12月16日 19時