78.手 ページ28
Aに何度も電話したけど留守電に切り替わるばかりで連絡がとれない
参ったな、でも約束したし…
通路の手すりにもたれてAが帰ってこないか見ていると、アパートに入る中学生と目があった
あの様子だとバレたか…
身を屈めてきゅひょんのように存在を消そうと頑張ってみる
身を屈めて、息を殺して…己の存在を無かったもののように…
「いぇそんさん?」
「ちがひまふけろ」
声をかけられ、咄嗟に口元を屈めて別人を装ってみたけどそこに居たのはAだった
は、恥ずかしい…変顔なんてするんじゃなかったー!
「ごめんなさい遅くなって」
「いや、今来たとこ」
「嘘だ、体冷えてるもん」
背中を押されて部屋に入る
マフラーを外したAの首を見て気分があがる
俺もマフラーを外して、その存在を手で確かめた
「電話くれてたのに気付かなくて」
ソファに座る俺の向かい側で、Aは携帯を見ながらシュンとしてる
「来たくて来ただけだから。待つのも嫌いじゃないし」
「でも約束してたのに遅くなって…あっ!ご飯は食べました?」
「お昼遅かったから…はわぁ」
大あくびが出た
昨日はしっかり寝てないからな…
Aは眠くないのだろうか
「いぇそんさーん」
「うん…」
「眠いならベッド行きますよー」
「うん…」
目がしょぼしょぼしてきた
俺がこんなだからAも絶対眠いはず
なのに俺の手を引っ張り世話をしようとして…いじらしいなぁ
「寝る」
「えっなにっ」
立ち上がり、逆にAの手を取ると、手を繋いだままベッドに倒れ込んだ
引き摺られるようにしてAもベッドに寝転ぶ
「いぇそんさん!」
「うん…?」
しょぼしょぼする目を頑張って開けると、Aがこっちをじっと見ている
昨日の事がフラッシュバックする
あの時…耐えきれずにキスしてしまったけど、我に返って恥ずかしくなった俺は、Aに背を向けて寝たふりをしてしまった…
Aも俺に背を向けて丸くなってたっけ…
今はこうして手を取り合って顔も向け合っている
安心して眠ってくれるといいな
「話はまた明日…ぬへへ…」
頬は緩んだまま、意識が遠のいていくのがわかった
ラッキーアイテム
革ベルト
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じょすぺ(プロフ) - るーいさん» ありがとうございます!まだほかの作品も書いてるのでよかったら読んでみてください♪ (2014年12月19日 6時) (レス) id: 1ae1aca594 (このIDを非表示/違反報告)
るーい - すごく楽しくキュンキュンしながらみてました~最高です(o^−^o) (2014年12月18日 2時) (レス) id: 1daa9b3578 (このIDを非表示/違反報告)
josp - さつきさま 「しょぼーん」って実際に言ってるいぇそんさんがパボでしょ?(^^) 私はお尻フェチ(笑 (2011年1月17日 13時) (携帯から) (レス) id: 00aad8e2be (このIDを非表示/違反報告)
さつき - 気づきましたよ(笑)エッって思って何回も読み返しました(^^ゞ…お尻をフリフリするイェソンかわいい♪花束くれるなんて(〃▽〃)素敵!最後の「しょぼーん」がイイ(*≧m≦*) (2011年1月14日 17時) (携帯から) (レス) id: fd952532e0 (このIDを非表示/違反報告)
josp - さつきさま 言い間違い気付いてもらえてヨカッタ!誤解はしないんですよーふふふ (2011年1月14日 8時) (携帯から) (レス) id: 00aad8e2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:josp | 作成日時:2010年12月16日 19時