SJ 草食Ｋ？Ｒ？Ｙ！２

71.呪います ページ21

ひちょる兄さん命名『飲んで忘れろ☆の会』は、しんどんが帰ってきてヒートアップしている


「で、どんなポーズだったっけ？」

「だからこうだ！」

「そんなにがに股じゃないもん！」


浴びるように飲んでいる男共はAの写真をネタにしながら笑い転げている
Aも笑いながらツッコミを入れているところを見ると大丈夫そうだ

とぅぎ兄さんは「眠い…」と早々に切り上げて自室に戻っていった
ひちょる兄さんは電話がかかってきてどこかに消えた
しんどんはリビングの端に転がったままいびきをかいている


「静かだ…」

「そうですね…。あ、そろそろ帰ります」

「大丈夫？」

「まぁ…犯人も捕まったし、私が気をつければいいだけの話で」

「ダメ」


立ち上がったAの手をとり引き止める
目にはうっすらと涙が溜まっていた


「今日は帰るな」


ソファに座らせたAの顔がみるみる赤くなる
俺はハッとしてAに背を向けた
すんごい事言ってしまった…
このあとはどうすればいいんだ黙ったまま静かな部屋で座っててもどうしようもないぞ何かないのかこの空気を変える何かが！


「あ！甘いもの…食べたくない？」


さっきしんどんが持って帰ってきた某有名店のロールケーキを思い出した
ケーキにはブラックコーヒーだよな、たしかりょうくがいつもあそこから出してたから…


「暫しお待ちを！」


客人用のコーヒーカップはどこだ？
わかんないからAにはりょうくのを…いや、俺のカップにしよう俺がりょうくのを借りようよしそうしよう
インスタントがここにあったはず、ほらあった！
量がわからん…スプーンに軽く１杯ってなんだよグラムで書けバカ
お湯入れて混ぜれば出来上がり…だが何故溶けない！


「A…あの、ちょっと」


どうしようも出来なくてAを呼んだ


「何ですか？」

「これ、どうやれば」

「これ…豆だ」


あぁ、間違えた…Aに入れてあげたかったのに
落ち込む俺に、Aが豆での入れ方を教えてくれてやってみる
優しいなぁ！


「スイッチ押したら終わり！じゃあ私はケーキ切ろうかな」


俺がやったらグチャグチャになるからお任せします
冷蔵庫を開けたAが「あ」と声をあげた


「食べると呪いますって書いてある」


振り返った顔はいつもと変わらなくなっていた、よかった

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