SJ 草食Ｋ？Ｒ？Ｙ！２

53.姉ちゃん ページ3

ひちょる兄さんは俺たちに抱き付いたまま離れない
Aが俺の肩に手を置いて少し離れたら、ひちょる兄さんの手も離れていった
ほっ、これでまた集中できるぜ


「わっ！何ですかひちょるさんっ！」

「別に。お前くっつきやすい」


なに!!
振り向くとAのお腹で手を組んで後ろにベッタリとくっついているひちょる兄さんの姿が
ちょっと！離れろ！離れろってば！


「母親…いや、姉ちゃんって感じだなAは」

「お姉さんですか？ひちょるさんのお姉さんだったら私いくつですか!?
てか離してくださいよー」

「年齢は気にすんな！A姉って呼ぼうかな」

「呼んでもいいから離れてください！」

「ハイハイ。A姉〜ボク、コーヒーが飲みたーい」


呆れた目でひちょる兄さんを見たAは確かにお姉さんっぽい
…って事は、俺がAと付き合ったらひちょる兄さんが弟分
俺に逆らえないひちょる兄さん…怖いものナシだな！


「オイ、いぇそん。俺を見てニヤニヤすんな。よからぬ想像か？」


顎をスッと撫でられた
ひちょる兄さんはすごくいい顔をしている
うん、ひちょる兄さんを下に付けるなんて無理無理！


「Aって…」

「はい、コーヒーどうぞ」


ひちょる兄さんが何か言いかけた所でAが戻ってきてしまった
話の続きが気になる
ひちょる兄さんを見ると真顔でウインクされた
全然意味わかんなーい

俺は黙々と作業を続け、やっと何とかそれっぽい物が出来た
A、なんて言うかな


「おっ、完成か？」


ベランダでAの家庭菜園を見ていたひちょる兄さんが来た
Aに一番に見せたい俺は、完成品を体で隠す


「まだ出来てないです」

「ん？お前本当は出来てるだろ！見せてみろっ！」


呆気なく取られてしまったのは仕方があるまい
ひちょる兄さんはなんて言うかな
ドキドキ


「なかなかいいじゃん、ここをこうしたら…」

「うわっ！何をする！」

「ほら、かっこよさの中に繊細さが生まれた」
俺の俺だけのデザインが、ひちょる兄さんの手によって壊された
もう、終わりだ…全てが…消えてしまう…


「あ、完成ですか？うわー、いぇそんさんスゴイいいよコレ！可愛い！」


終わり良ければ全てよし、だな！

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