第9話 いたずらに・・・、 ページ10
楽譜を開いて、メロディを注意深く眺める
ひとつひとつの小節は複雑だが、全体では繰り返しが多く、覚えられない量ではない
友希那「リサと私の古い友達が来るの。それで演奏しているところを見せてほしいってなって。『陽だまりロードナイト』は私とリサの曲だから」
A「そうだったんですか・・・、」
クールに見える友希那さんだけど、本当に冷たいわけではないんだ
たった一人の誰かの為に歌ったり、私のためにこうして家まで来てくれたり
A「優しいんですね」
友希那「そんなつもりは・・・いえ、否定しても仕方ないわね」
まあ、細かい事情は実はどうでもいいんだ
大切なのは、今、友希那さんを助けられるのは、私だけってこと
♫〜♪〜
楽譜の難しいところを何度か弾いて指に覚えさせる
できる、私ならできる
きっと私は友希那さんのためにピアノに出会ったんだ
横を向けば、友希那さんが見守っている
ふと、いけない考えが頭をよぎって、視線を絡ませた
A「大体覚えたので、間奏のとこだけ通しでやらせてください」
友希那「もちろん」
A「もし一発OKだったら、ご褒美をもらってもいいですか?」
友希那さんはやや怪訝な顔をしたが、すぐに小さく笑ってくれた
友希那「あなた、やっぱり面白いわ」
A「だめですか?」
友希那「いいえ、それで演奏が良くなるというなら。でも、何が欲しいの?」
真面目な友希那さんにこんなこと言ったら怒られるかな
でも言ってみたい誘惑には勝てず、私はいたずらっぽい表情を作って囁いた
A「ここにちゅーしてください♡」
自分のほっぺたを指差して、反応を伺う
友希那さんは・・・、完全に固まってしまった
どっち。いやもう言ったもん勝ちだ、多分
友希那さんの返事を待たず、私は前に向き直って鍵盤に指を乗せた
それもこれも、まずは成功させてからだ
イントロの主役はこの叙情的なピアノ
慎重に、でも大胆に、想いを込めて
♪〜
☆
友希那「じゃあ明日、スタジオで」
A「はい、今日はありがとうございました」
結局・・・、
指が追いつかず、私は失敗した
まあ天才でもなきゃあれは無理だって
夜遅くなってきたので、私は帰る友希那さんを玄関で見送った
友希那「A、ちょっと」
A「はい?」
ドアに手をかけた友希那さんが、何かを思い出したかのように一歩戻った
そして、
ちゅっ
友希那「また明日」
A「・・・っ♡」
あまりの不意打ちに、今度は私が固まってしまった
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きらるり(プロフ) - 結叶さん» お久しぶりです!!結叶さんもやってたんですね。バンドリは仲間が多くて嬉しいです笑 ハロハピといえば今はこころちゃんのお話を書いているのですが、どこまで知っててどこまで無知なのかのさじ加減が難しくて難航してます…… あと美咲と花音先輩の関係が好きですね (2019年5月26日 1時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
結叶 - バンドリ知ってたんですね。というかお久しぶりです。ガルバでは彩ちゃん推しのハロハピ箱推し的な感じです (2019年5月26日 1時) (レス) id: 3aaf7b0b3a (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - 瞳さん» コメントありがとうございます!ちょうど友希那さんイベ始まりましたね、一緒に頑張りましょう! (2018年11月10日 20時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
瞳 - 私も友希那さん大好きです! がんばってください! (2018年11月10日 20時) (レス) id: d47849a709 (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ♪美桜♪さん» コメントありがとうございます!私も友希那さん夢小説増えて欲しいです!頑張ります! (2018年9月29日 13時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/krrr_homepage/
作成日時:2018年6月23日 22時