【バンドリ】Roseliaの裏メンバーは湊友希那の××！？

第14話 陽だまりロードナイト ページ15

『やっほー！！一番乗りは私たち、ポッピンパーティーでーす！』

イベントが始まったみたいだ、Roseliaの出番はもうすぐ
やれることはやった、あとは練習を、自分を信じるだけだ

友希那「揃ったわね」
あこ「準備完璧！でも緊張する〜〜！」
紗夜「私は問題ありません」
リサ「うー」

いつも明るかった今井さんが、今は落ち着きなさげに手を開いたり握ったりしている
くす、意外と緊張するタイプなんだ

A「私も行けます。よろしくお願いします」
あこ「よろしくなんて挨拶ナシナシ、あこたちはもう仲間なんだから！」
友希那「その通りよ。Roseliaのメンバーとして胸を張りなさい」
紗夜「つまり、ミスをすれば同じように容赦しないということですが」

相変わらずの氷川さんだけど、表情にはもう刺々しさがない
認めてくれているんだ、私を

会場からワッと拍手喝采が聞こえてきた
次はいよいよ私たちだ

リサ「大丈夫、大丈夫、いけるいける」
友希那「リサ、出番よ」
リサ「ほわっ！？」

素っ頓狂な声を上げた今井さんに、私たちは思わず笑いあった
よし、行きますか！

『次はRoseliaのみんなにバトンタッチするよ！友希那さん！お願いしまーす！』


☆


『陽だまりロードナイト』


印象的な三連符から始まるこの曲は、Roseliaの楽曲の中では珍しい、
しっとりと聴かせるような、バラードの趣さえ感じる静かな曲だ

振り下ろした指先が触れるのは、真っ黒なグランドピアノの鍵盤
キーボードのように多彩な音は出せないけど、"この音"を出すときの表現力は、段違いだ


鍵盤は叩くのではなく弾く
踊るように、歌うように、華麗なステップを刻ませて―――

『運命を繋ぐ赤き道標』
『ただただ前を見つめて目指すわ―――』

友希那さんの歌声が大空に、世界に響き渡る
静かな曲、そう感じるのは第一印象だけだ
だってこんなにも情熱が込められていて、熱い感情が溢れてくる

歌ってよ、友希那さん
私もここに、そばにいるから

『こんなにも愛しさで満ちてる』
『明日も眩しいくらいに―――』


会場を包み込む拍手は、私たちが退場しても鳴り止むことはなかった


☆


A「っはー！緊張した・・・、」
リサ「はは、やりきったね」
あこ「超最高ー！」
紗夜「まあ、成功と言っていいでしょう」

舞台裏に降りた私たちは、お互いを叩いて笑い合った
そして、

友希那「A」
A「はい？」

最後に出てきた友希那さんは、そのまま倒れ込むように、
私を強く抱き締めた

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